とのさま日記なるもの

思いのすべてを書きます

憐れなる涙

2016-07-15 18:28:04 | 一人称の詩集
私がその人と出会ったのはついこの間の事だった。

雨の中で傘もささずにたたずんでいたのだ。

思わず声をかけそうになったがやめた。

女性は泣いていた。

涙ではなく雨なのかもしれなかった。

しかし、肩が震えていた。

私はその横を通りすぎた。

家に入り、濡れた髪をふきながら窓から外を見た。

女性はまだ雨に打たれて立っていた。



数日して携帯にメールが入った。

大切な人からだ。

そこには別れの言葉が書かれている。

私への思いを受けとることが出来ないと。

私の片想いだった。

私は思わず家を飛び出した。

雨が降っていた。


私は雨の中を走った。

彼に少しでも近づけるように‥……

私の何がだめなのか‥……

私は立ち止まって空を見た。

雨が顔を打ち付ける。

私は泣き続けた。

横を一人の女性が哀れみを込めた目で私を見ながら通りすぎた。

降りしきる雨の中で‥……






  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暇な時間にスキルを磨く

2015-10-26 06:20:41 | 一人称の詩集
私は三木市に20年住んでいる

神戸で生まれ神戸で育ち

神戸で勤め

神戸で家庭を築いた

何をもって三木に来たのか

20年前の桜が咲く頃に三木に来たのだ

桜が多く、住む家の庭にも大きな桜の木があり

それから数年間家族で庭でお花見を楽しむこととなる

亡くなった父は庭に桜は植えないものだと言っていたから生きていたらこの家は嫌ったかも知れない

人生、色んな事がある

今は56歳

私は22歳で結婚してひたすらに子育てに専念した。

当時はそんなものだ

子どもが幼稚園に上がると時間が増えたのではなく忙しくなった

お迎えまでの間のほんの数時間に家の家事を終わらせないといけない。

終わった頃にはお迎えだ

専業主婦は楽そうに見えるが手抜きができないのだ

今は少し違うのかも知れないが

私の時代と今の時代は違いすぎる

子どもが中学にはいり、やっと時間ができてきた。

しかし、その頃には仕事を始めていたからなかなか大変だった

今思えば毎日を忙しく過ごすことで余計な事を考えなくてすむのだ。

暇ほど怖いものはない

年齢がいくとゆったりとした生活も良いだろう

時間があり、若ければそのときに学ぶべき事をおおいに学び、それに向けてスキルをみがくこと。

一番、醜いのは若さゆえに攻撃的になるのは感心しない

絶えず人の批判をして

そんなことをする前に自分の家族に感謝すべきと思う

スキルアップはなるべく早い方が良いのだと思う

私が学んできたものを、スキルを今は大切に磨いて活用するのが今の自分の喜びになっている


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美しい目をした人

2015-10-25 23:07:10 | 一人称の詩集
彼女の大きな二重の目

綺麗でキラキラ光輝く

言葉はハキハキと

私には出来ないこと

感情を前に出す激しさが

どこから来るのだろう?

そう、私は考えてしまった

何度か会うたびに私は彼女の

寂しさを感じ始めた

彼女の美しく澄んだ瞳の中に

その思いが時々見えるのだ

それは怯えであり、

悲しさである

彼女の美しさは私にはない若さであり

悲しさは私にはないものでもあった。

彼女は自分の美しさに気がついていた

そして人には言えない秘密もあるのだらう

秘密が彼女に神秘的な美しさを与えているのかもしれない

誰でも秘密はある

しかし、私には神秘的な美しさなどないのだ

彼女の瞳が曇るときがある

そんなとき、彼女は涙さえ流すときがあった。

私にはそれが彼女の演技であることを見抜く事ができなかった

それを見抜いたときには彼女の瞳は攻撃的になる

目はものを言うというが随分と簡単にわかってしまうものだ

美しいバラには刺がある

それを男性でなく女性の私でさえ騙されるのだからどうしようもない

ただただ不信感を持つだけである

しかし、もう、その美しい彼女には会うこともないだろう

美しく周りを振り回す

その美しさは彼女の宝物ではなくただごう慢なものだろう

私には無用な美しさだ





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする