聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

君たちに明日はない

2010-03-04 13:20:29 | 邦画ヒューマン
"働く意味を問うドラマ"

一体どんな答えを出すのかと興味深く見ていましたが
私がもやもやと何となく考えていた事を
"上手くまとめてくれた"
つまり答えを引き出してくれたドラマだったと思います。




君たちに明日はない 


原作は垣根 涼介さんの同題プラス「借金取りの王子」
毎週土曜日21時~NHKで放送されていました。全6話。
最後までしっかり楽しませて頂きました。
最近この枠面白いなぁ


プロポーズしていた年上の女性に逃げられたのは
村上 真介(坂口 憲二)

彼の仕事はリストラ請負人。
つまりある会社で人を首にしなければならない時
その会社の人に代わってリストラする人。

まあ、そういう会社日本ヒューマンリアクトで働いている訳ですから
血も涙もない様な気がしますが、それは違います。

仕事とは言え
見ず知らずの人の人生を左右するので
深く考えると、吐き気をもよおす程、追いつめられているのです。

それでも仕事には大分慣れ
責任のある内容を任されたり、
再び恋に目覚めたり…



でも、その新しいお相手と言うのは
リストラを請負った会社のリストラ候補

40代過ぎ、バツ一の課長芹沢 陽子(田中 美佐子)なんですが
リストラ候補と言っても、GP=グレーゾーン
つまり退職希望者がノルマを越えたら
辞めなくてもいい人だったんですね。

なので村上はルール違反だけど
それバラし、個人的にも仲良くなります。
本当はリストラの面接をした相手と親密になるのはタブーなんですけどね



そして、もちろん忘れてはならないこのドラマのテーマは
"働く意味"

村上の会社の社長高橋 栄一郎(堺 正章)は
事ある毎に
「仕事の意味が解っていない」とか
「解ったつもりでいい気になるな」とか言うんですが
では働くって何なんでしょう

笑所もバッチリ詰まった、まさに時代を表すヒューマンドラマです






今クール、このテーマが多いのは
やはり不況が影響しているんだろうなぁと思います。


今まではそこまで深く考えなくても仕事があった。
好きじゃなくてもお金がもらえた。
だから極端な話、大して"意味"なんて重要じゃなかった。
もちろん考えている人も居たけど。


でも今は考えざるを得ない状況が生まれて
それをマスコミがこぞって取り上げる。
ドラマもそう。


だからテーマが一緒なんだろうなぁ。

ただ私は思います。
時代を言い訳にしているだけなんじゃないかなと。
そもそもそんなに
働く事に意味が必要なのかなぁ

人はほとんどの人が働かなければ生きていけない。
それ以下でもそれ以上でもない気がする。
人はどんな事があろうと生きていかなければならないのと同じ。

私からするとそんな意味を考えるのは
それこそ意味がない。
答えがないと思うから。
もっと目の前の現実に向き合った方がいい。
もっと自分自身に向き合った方がいい。

リストラされたのなら、
何故リストラされたのか反省して、次に活かす。
文句を言わず、プライドを捨てて何でもやってみる。
時代のせいにしたって、何も変わらない。
と、私は思います。

まずは自分の足で稼がないと。
もちろん幅広い意味で。




そして最終回を見てこの考え方にプラスした。
「誇り」が大切。

働くのには2種類ある。

仕事が目的の人。
よしおかが病気になる前はこっち。
その仕事自体好きでやっていた。
大してお金にならなくても

もう1つは手段の人。
つまり生きていくお金を得る為に働く。
家族の為、趣味の為…

どちらが正しい訳でも、良い訳でもない。

ただ自分が納得、
つまり誇りを持っていないと続けられない。

なるほどなぁと思いました。
よしおかと思っている事は基本同じなんだけど
きちんと言葉で教わった気がします。



また、このドラマは笑所もしっかり詰まっている


年上好きの村上にも興味津々だし
村上といつも一緒に飲んでいる山下 隆志(北村 有起哉)との会話には
結構深い話が詰まっている。


芹沢家姉妹の掛け合いもとってもうけます
40歳過ぎの人をオバフォーって言ってるの
「アラウンドなんて誤魔化したって駄目。
 フォーティーを過ぎたオーバーの意味とオバさんの2つを掛けている」んだとか。
よしおかもオバサーかな


その他演出上、上手だな~と思うのは
難しい質問を登場人物にさせる所。

例えば、4話目ではメガバンクが対象だったんですね。
見ている私たちは心の何処かで
「どこが合併したのか」気になる。
それを村上の補佐役にさり気なく質問させる。
「どことどこが合併したんでしたっけ?」

実はこれは彼女が疑問に思っているのではない。
視聴者の欲求を上手く満たしているのです。
芹沢のGPが出た時も同じ手法で疑問を解決していましたよ。
こういう部分の積み重ねが
ドラマのクオリティの高さに結びついているのでしょうね。


いずれにしろ、働いた経験がおありの方なら
何かしら共感を得られると思います。

ねえあなたは「誇り」を持って働いていますか


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