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宮部みゆき「誰か」

2011年09月03日 | ま行の作家

 

文春文庫
2007年12月 第1刷
2010年12月 第13刷
解説・杉江松恋
458頁


主人公は今多コンツェルン広報室の杉村三郎
彼の妻・菜穂子は、三郎曰く「どんな年齢にみえるときも美人」
そして、今多コンツェルン会長の娘(庶子ではありますが)なのです
穿った見方をすれば、逆玉の輿を狙ったのか、となります
実際、彼には社内に心を許せるような同僚はおらず、「会長の親族だから」などチクリチクリと皮肉を言われるし、実家からも絶縁同然状態
しかし二人は心の底から愛し合って結婚し、可愛い娘も生まれ仲良く幸せに暮らしているのです

 

物語は、暴走自転車に轢かれて死んだ会長の運転手・梶田の娘たちから亡き父についての本を書きたい、という相談を受けたことに始まります
一見普通な梶田の人生を辿り始めた三郎の前に意外な情景が広がり始める
梶田を轢いて逃げたままの自転車
梶田が運転手となる以前の暮らし
タイプの違う梶田の二人の娘
タイトルの「誰か」とは誰のことなのか

登場人物の心理描写には宮部さんらしく優れたものがあったと思いますが、ミステリーとしては先を想像させる描写が変に多いし、それも読者の想像を見事に裏切るような切れも無く「こじんまり」といった印象です

梶田の次女のような女性、大嫌いです
長女のような女性にも同調できません
というわけでこの物語のラストには不満が残ってしまいました

 


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