新潮選書
2011年10月 発行
223頁
難しくて時間がかかりそう、と思って読み始めたのですが、意外や意外
面白くてほぼ一気読みでした
復興に向けて粛々と努力をします
政治家や役人がよく使う「粛々」ということばは、元をたどると、古代中国で鳥が羽ばたく様子を表す擬態語(ある状態から受ける印象を響きに託して表現しようとする、きわめて感覚的なことば)だった
我々が普通に使っている漢字の熟語の中には、このように元は擬態語だったものが、実は多数含まれている
それらは元はどういう意味で、どのように輸入されて「日本語化」していったのか…
政治家はなぜ~、のタイトルから連想される、政治家の分析や解説ではありません
「粛々」をはじめとし中国で生まれて日本で育った漢字の擬態語の歴史と変遷を探り、わかりやすく解説されたものです
お寺などのお堂と「堂々」は関係があるのか
「揶揄」が手偏である理由
漢字の擬態語の響きの特徴、「汲々」「綿々」「洋々」
中国から日本に渡った後、意味が変わった熟語、「逍遥」「酩酊」「矍鑠」
などなど
どの頁も目から鱗でした
普段、何気なく使っていることばに悠久の歴史があり、何世代にも渡り使われ変化してきたものだと考えると、日本語として大切にしていかなくてはいけないと思います
日本語として受け継がれている古い時代の中国のことば
昨今、小難しいということで、平易な表現に置き換えられることが増えています
残念です
例えば、「元気なお年寄り」より「矍鑠としたお年寄り」のほうが、どんなお年寄りか容易に想像が出来て、絶対いいと思うんですけどね
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