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荻原浩「オイアウエ漂流記」

2010年05月15日 | あ行の作家

トンガ王国からラウラ諸島共和国へ向けて飛び立ったプロペラ機が海に墜落
救命ボートに乗り命からがら辿り着いたのはスーパーもコンビニもレストランもホテルもない
無人島

不動産会社の部長・課長・主任・平社員
不動産会社が開発しようとしているゴルフ場のスポンサー企業のバカ御曹司
新婚旅行というのに明らかに夫婦仲が悪いカップル
戦友の慰霊目的で南の島にやってきた祖父と孫
上半身タトゥーだらけのガイジン
飛行機と共に海に沈んだ機長が託した愛犬

日本人9人
ガイジン1人
彼らと一匹
救助隊は来るのか?
無人島での暮らしはいつまで続くのか?


荻原さん得意のサラリーマンの生態がユーモアと皮肉たっぷりに描かれています
無人島に流されてまでも会社の上下関係を維持しようとする部長には腹が立つより情けなさが先にきます
こちらの予想に反して長引く無人島生活
飢餓、病気に対する恐怖
会社組織で動くな、という新婚夫婦
言葉の通じない自分を仲間はずれにして勝手に決めるな、というガイジン
よくある話ならここで集団から外れ勝手な行動に走った者は何かしらの不都合に遭って酷い目にあう
なのでしょうが
そこは荻原節
仲間割れしそうになっても「皆と一緒にいたい」という台詞を吐かせて全員をまとめていきます
本音を隠しては生きていけない
長い時間一緒に暮らすことで育まれる連帯感
ラブロマンスも少し

生きるか死ぬかのサバイバルゲーム
といった悲壮感はなく温かい小説でしたが
正直
あまり面白くありませんでした
ただダラダラと長く
ラストの1頁で、えぇぇっ!
こんな終り方あり?
でした


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
終わり方が… (hi-lite)
2010-05-16 08:29:47
唐突すぎるよね。
事件らしい事件と言えば、犬のカーゴがみんなに牙を剥いたくらい。
荻原氏、初期の作品の方が良かった(__:)
返信する
hi-liteさん (こに)
2010-05-17 18:57:15
荻原さん
書くペースが早すぎますよね

もっとじっくり溜め込んでから
ドバァ~って作品を発表して欲しいですね
返信する
Unknown (itchy1976)
2011-03-16 20:19:25
itchy1976です。TB/Commentありがとうございます。

読み終わった第一印象は「だらだらと長いなあ」ですね。登場人物として面白かったのは白川早織さんですね。この人は裏で何を考えているかわからず、怖いなあという感じで読んでいました。人を平気で裏切るんでしょうね。

これからもよろしくお願いします。
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itchy1976さん (こに)
2011-03-16 21:58:26
既に詳細を忘れています(笑)
これと「ひまわり事件」に、やや裏切られ
最新刊にも手が出ません
面白い作品を読みたいですね~
返信する
ぬくぬくの無人島 (たんぽぽ)
2012-03-13 20:40:31
2年も前にお読みでしたか。
皆さんには不評のようなんですが、私は割と単純に楽しんでしまいました。
ラストは確かに唐突ですが、それはご愛嬌で、もちろん後でお迎えは来たのでしょうし・・・。
わたしが気になるのは、彼らは日本に戻っても元の生活には戻れないだろうな・・・ということで。
続きがあれば読みたいくらいです。
結局、大きな危機もなく、ぬくぬくした無人島生活でした。けれど、無人島だからといって「蝿の王」みたいな内部抗争が不可欠かというと、そうでもないような気がします。特に、日本人なら、こんなふうにそこそこ気心がしれて、うまく役割分担してやっていくのではないかしらん?というような気がして。
ただでさえ、生き抜くのは大変なんだから、仲良くやりましょうよ・・・。とね。
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たんぽぽさん (こに)
2012-03-13 23:00:47
たんぽぽさんからのコメントを読ませて頂き、大震災の後の日本人ならそうかも、と思いました。
読んだ当時と今では自分の中にも大きな変化があるのですから。
残念なことに、当時は面白くなかったんですよね~。「背景」って重要ですね。
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