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映画・あの日の声を探して

2015年05月06日 | 映画(海外)

 

原題 The Search
2014年 フランス、グルジア

 

 

舞台はロシアに侵攻された1999年のチェチェン

フォーカスされるのは3人の人物

両親を目の前で殺され、まだ赤ん坊の弟を抱いて家を出た声を失った少年・ハジ(アブドゥル・カリム・ママツイエフ)
チェチェン難民の現状を訴えようとするも所詮書類上の仕事でしかないのか悩み自分の無力さに絶望するフランス人のEU人権委員会の職員・キャロル(ベレニス・ベジョ)
ロシア軍に強制入隊させられ殺人兵器と化していく音楽好きだったごく普通の青年・コーリャ(マキシム・エメリヤノフ)

 

両親が銃殺され、姉・ライッサ(ズクラ・ドゥイシュビリ)も行方知れず
とりあえず身の回りの物をリュックに詰め幼い弟を抱いてどこか安全な場所を目指して家を出ますがまだ9歳のハジには到底無理な話です
このままでは二人とも倒れてしまうと判断した彼は、チェチェン語が聞こえてきた家の玄関先に弟を置き去りにし、一人歩みを進めます
見知らぬ家族がトラックに乗せてくれ、赤十字に保護されますが責任者のヘレン(アネット・ベニング)に質問されてもショックのあまり声が出ません
ただリュックに詰めてきた弟の服を見て涙が流れるのでした
赤十字の兵士の姿に恐怖が甦ったハジは建物を飛び出し浮浪児となります
たまたま街でハジを見かけたキャロルは自分の住まいで面倒を見るようになります
キャロルは何も話さないハジの扱いに困りヘレンに相談しますが、キャロルのしている世界に報道もされないような仕事よりその浮浪児の面倒を見るほうが余程この国に役立つ、と厳しい言葉を浴びせられます
ここではまだ、ヘレンはあのハジがキャロルの家にいるとは知りません
一方、ハジの暮らしていた村では姉のライッサが家に戻ったものの、そこには弟たちの姿はありませんでした
親戚の家に身を寄せたライッサは捨て子の情報を得てハジが置いて行った弟と再会します
やがてライッサも赤十字に保護されますが、ハジは赤十字を飛び出した後でした
絶望の中にも希望を失わずハジを探し続けるライッサ
ライッサとハジは再会できるのでしょうか
そしてハジは再び話すことができるのでしょうか

 

映画はロシア兵の撮影する、ハジが暮らしていた村の惨状から始まり、同じシーンを別のカメラで撮影したところで終わります

ハジとキャロルの物語とは別に流れるロシア兵・コーリャの物語が辛かったです
暴力により感情を消され、殺人兵器と化していく青年
軍隊が人間をいかに変えてしまうのか、紛争やテロの続く世界でこれは現実に起きていることなのです
映画の中では、正義とか善悪とかを声高に叫んでいるわけではありませんが、映画を観た私たちに、そういったことについて考える機会を与えてくれたのだと思います

 

 

ハジ役のアブドゥル君の流す涙に何度こちらも泣かされたことか
姉のライッサの強さ、家族の絆の強さにも泣かされました

 

是非、皆さんに観て頂きたい作品です

 

 

 


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