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酒井順子「女流阿房列車」

2012年10月27日 | さ行の作家

 

新潮文庫

2012年5月 発行

解説・田中比呂之

269頁

 

 

昭和26年に書かれた百先生の「阿房列車」

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」という件があります

目的もないのに汽車に乗るなど、何をやっているのだ?ですね

 

さて、現代

酒井さんは新潮社のT氏(解説を書いておられる田中氏)のプランに従って鉄道の旅をします

 

メトロな女

東京の地下鉄全線完乗

T氏のプランに従い6時58分発銀座線渋谷駅に始まり23時20分千代田線代々木上原駅まで

総乗車距離437キロ、かかった時間は16時間22分

まともな食事もせず、乗換の為に走ったり、焦りまくる

酔狂としか思えないことを一生懸命成し遂げようとする姿に変に感動しました

 

 

鈍行列車の女

24時間耐久

JRの特急を使わずに24時間でどれだけ遠くに行くことが出来るか、という旅

24時11分横浜発の「ムーンライトながら」

東海道本線~山陽本線~鹿児島本線

同日24時ちょうど熊本は八代着

翌日は熊本空港から飛行機に乗り、わずか1時間半で東京へ

まる一日かけて西へ向かったのが帰りはわずか90分って何でしょうね

 

 

膝栗毛な女

東海道五十三乗りつぎ

3日をかけて日本橋から京の三条大橋まで53の乗りつぎによって到着する

全行程と、各駅、使用路線を書いた『乗りつぎ図』があって、酒井さんと一緒に旅する気分になります

乗りつぎ回数を稼ぐ目的か、愛知県を通過するのに意外なルートを使っていて驚きました

目的も無いのに列車に乗る、真骨頂です

 

 

他にも

秘境駅の女

トロッコ列車の女

9to5の女

廃線跡の女

スイッチバックの女

旧国名の女

などなど

 

列車から見える風景や車内の人間観察など、紀行文としては百先生には遠く及びませんが、まぁ楽しく読ませていただきました

 

 

 

乗換案内を利用して、より早くより安く目的地に行く方法ばかり選択していた自分に気づきました

のんびり、ゆったり、電車に揺られる楽しみを忘れていたかな

 

 

 


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