新潮社
2015年1月 発行
282頁
短篇集です
「ヒット・アンド・アウェイ」「冷蔵庫を抱きしめて」「アナザーフェイス」「顔も見たくないのに」「マスク」「カメレオンの地色」「それは言わない約束でしょう」「エンドロールは最後まで」
DV男を撃退するため一発奮起する女性
結婚後、摂食障害が再発する女性
ドッペルゲンガーに恐怖する男性
マスクをして顔を隠さなければ生活できなくなる男性
心の内の本音が言葉に出てしまうようになる男性
などなど
これは困った、けれどかなり深刻な問題の一歩手前で何とかなりそうな、という主人公たちの物語は自分の身近で起きていることのようでもあり、また自分自身のことでもありそうで、共感できる部分が多くありました
しかし
時に奥田英朗さんを思い出させるところが多々あり、荻原さんを読んで奥田さんを思い出すということは、奥田さんの方がインパクトが強いということだろうか、荻原さんは個性が弱いのだろうか、などと考えてしまいました
ま、どうでも良いことですが
本作は佳作といったところでしょうか
最近の荻原さんはもう一つ、パンチが足りませぬ
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