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奥田英朗「最悪」

2010年04月23日 | あ行の作家

町工場の経営者
女性銀行員
チンピラ

3/4までは、これらなんの関係もない3人の生活が並行して語られるのですが
周囲からの働きかけにより自分の意志とは関係無く苦況に追い込まれるこの3人は不運というものを自ら呼び込んでいるだけじゃないのかしら、ホント最悪だわ、と思いながら読みました

町工場の経営者
ビジョンも無く行き当たりばったり的な経営で破綻に追い込まれる

女性銀行員
親戚の薦めで深く考えることもなく入行した銀行
無難に過ごせれば良い、くらいの毎日

チンピラ
いつかこんな生活から抜け出してやる
と考えながらも同じ場所でグルグル回っているだけ


なんとか1段よじ上ったら次には5段転がり落ちるような
まさに最悪といえる3人の人生がクロスした時に起こることは!

ラストに向けて一気にローラーコースター状態でした
もし現実ならすごい悲惨な話なのですが
笑ってしまう箇所が多くて不思議な読後感

ん?
また精神科医が登場してますね


町工場の経営者を精神的に追い詰めるエリートの口癖
「わたしの言っていることがわかりますか」
このように言う人は要注意!


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8 コメント

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Unknown (itchy1976)
2010-04-26 22:42:40
itchy1976です。TBありがとうございます。

3人が出会ったとき事件がおき、そこから逃げ回ることになる。どんどん落ちていくさまが悲惨な話なんだけど、何か笑ってしまう不思議な話でした。

同著の同様な小説に『邪魔』(文庫本では上・下巻)があります。

これからもよろしくお願いします。
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鉄工所社長の川谷 (hi-lite)
2010-04-27 08:43:51
>ビジョンも無く行き当たりばったり的な経営で破綻に…

↑き、きついなぁ~こにさん(^m^:)
だいたいの小市民的オヤジは、みんなこんなもんじゃない?
考えられるのは家族と仕事の安穏。
だから銀行とか取引先に上手く乗せられちゃうんだろうけど…

ラスト、みんなまだ遣り直せる雰囲気があって救われた様に思います。
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itchy1976さん (こに)
2010-04-27 22:48:14
「邪魔」
「無理」
共に読みました

この「最悪」は面白かったですが
「邪魔」「無理」は充分現実に有り得る内容でキツかったですねぇ

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hi-liteさん (こに)
2010-04-27 22:53:35
これのラストは救いがありました

鉄工所の経営者
読みながら
もっと勉強しなきゃ!
このままじゃ破滅じゃないの?
叱咤激励したくなりましたよ
^^;

こういう良いヤツなんだけど不器用な小市民が大半の世の中
それで社会は回ってくのかな~
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Unknown (ロビタ)
2011-02-26 18:53:05
こういう、ひたすら落ちてゆくような
クライムノベルは、ラストをどうするか、
そこに作家の力量と”優しさ”が垣間見れる
のですが、この締めくくり方はいいですね。



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ロビタさん (こに)
2011-02-26 23:09:59
仰るとおり
奥田さんは世間でいう弱者に優しい目を向ける作家さんですね

新刊も近々読みたいな♪
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落ちるとこまで落ちてよ (ねこやま)
2011-12-09 01:01:17
というのがこの手の本を読んだ時思うことだったりします。
だから個人的にはラストは投げっぱなしで
読了後に(わたしが)うなだれるぐらいでもよかったかなぁ、なんて。

ブログ冬仕様になりましたね^^
ステキ☆
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ねこやまさん (こに)
2011-12-09 19:03:55
この場合
落ちるところまで落ちたらどうなるんでしょうかね~
読者がうなだれるくらいの終り方をさせられる作家さん、ある意味素晴しいですよね!

この週末は冬本番の寒さになるとか
ねこやまさん、暖かくして過ごしてくださいね
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