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小川洋子「沈黙博物館」

2011年08月26日 | あ行の作家

 

ちくま文庫
2004年6月 第1刷発行
2010年9月 第5刷発行
解説・堀江敏幸
369頁

 

新しく博物館を作りたい、という依頼を受け、駅に降り立った博物館専門技師
迎えの車には可愛らしい少女が乗っていた
依頼主は頑固で偏屈で今にも倒れそうな老婆で、少女は養女として引き取られたらしい
博物館に展示するものは老婆の住む村で亡くなった人々の「形見」
村で誰かが死ぬたびに老婆はそれを盗み蒐めてきたのだという
老婆の住む館の別館には庭師とその妻が暮らしている

この作品も小川ワールド
お見事です

村やそこで暮らす人々の描写はありますがリアリティがありません
技師は離れた場所に暮らす兄に手紙や小包を送るのですが一向に返事がありません
村で起こる連続猟奇殺人事件
何かがおかしい、と感じた技師は村から出ようと駅に走るのですが、列車は来ないし、駅も長い間使われていないようで仕方なく老婆の館に戻ります

技師が母の形見として大事にしている本「アンネの日記」
線路はあっても列車の来ない駅
村の中心部で起きた爆弾事件で少女の頬についた五芒星の形の傷
はっきりとは書かれていませんが何か六芒星を連想させるものがあります

技師は駅に降り立った時点で異人となってしまっていたのでしょうか

そこそこの長さの物語でしたが、あっという間に読み終えてしまったように感じました

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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怖そうなお話ですね。 (hi-lite)
2011-08-30 11:21:21
でも何だか面白そう(^m^:)
本屋さんで探してみますね。
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hi-liteさん (こに)
2011-08-31 20:50:24
ちょっと気味が悪くて、美しくて、不思議な小川ワールドでした
「猫を抱いて~」に比べれば未熟って感じかな?
返信する

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