文藝春秋
2012年7月 第1刷発行
307頁
東京・上野・不忍池のほとりで語り合うホームレス
目黒の中華料理店でのワンシーン、忙しそうな母親と子供たち
轢き逃げ事故で死んだ息子への思いを語る会社社長
高学歴にもかかわらず、きちんと就職出来ない男性
前職業は様々、タクシー会社の休憩室の風景
リストラにあった男性の再就職までの日々
「散骨」という形を選んだ遺族の思い
ガーナ人労働者と日本人経営者の労働争議
「条件」に縛られる婚活中の男女
毎年、娘の命日に送られてくる元上司からのファクス
頚椎損傷で首から下が機能しなくなった夫のやっていた店を引き継いだ妻が知る夫の本当の姿
「こんな日もあるさ」では済まされないノンフィクションかとは俄かに信じられないような内容もあります
しかし、上原さんの筆致はあくまで冷静、客観的
押し付けがましくなく、説教じみておらず
それでいて心に残る物語集でした
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