河出文庫
1980年6月 初版発行
2008年9月 新装新版初版発行
解説・大崎善生
175頁
学園紛争真っ只中の時代
大学進学と同時に上京、一人暮らしを始めた青年
新生活の準備を手伝い、入学式を見たいという母親に訳もなく苛立ちを感じ無理矢理追い返してしまう
18歳の頃の意味不明な自信とプライド
思い返せば自分もそうだったし、母親として息子を見送った時に息子からそのようなものを感じ取りました
友達も出来ず下宿と大学を往復するだけの毎日に孤独を感じている青年
誘われるがままにB派に入りその日のうちにジグザグデモに参加する
立て看を作ったり、ビラを配ったりしながらも深い考えもイデオロギーもない彼はその中でも深い疎外感に苛まれる
弁舌のたつ学生にうまく言いくるめられB派を抜けるも、その後が続かない
軟弱、意志薄弱
一体オマエはどうしたい?
青年は繰り返し思います
「僕って何?」
青春の不安、挫折、疎外感、絶望感
その真っ只中にいる人も、それを通り過ぎた人にも是非読んでもらいたい1冊です
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