岩波新書
1994年3月 第1刷発行
2013年3月 第41刷発行
239頁
以前読んだ「文章のみがき方」の前作にあたります
わかりやすい文章を書くためには、何に気をつけたらよいか
日頃から心がけるべきことは何なのか
福澤諭吉から沢木耕太郎にいたる様々な名文を引きながら「文は心である」ことを強調するとともに、読む人の側に立つこと、細部へのこだわり、先入観の恐ろしさ等のポイントをていねいに説く
一 〈広場無欲感〉の巻
広い円
現場
無心
意欲
感覚
二 〈平均遊具品〉の巻
平明
均衡
遊び
具体性
品格
三 〈整正新選流〉の巻
整える
正確
新鮮
選ぶ
流れ
文章についての技術論(長さや漢字の多さなど)についても書かれていますが、著者が最も訴えたいことは、「文は心である」ということです
正確な文章を書くことができる人は正確にものごとを見る訓練をおろそかにしない
人の心をとらえる自然の描写をする人は、自然と遊ぶたのしさを知っている
品格のある文章を書く人は、品性にあふれている
読む人の心にしみる落ち着いた文章を書く人は、いらいらせかせかの気分で机に向かわない
目配りのきいた、均衡のとれた文章を書くことができる人は、ひとりよがりなことは言わない
表面上は技術でごまかした出来の良い文章が書けるかもしれないが、心のゆがみはその人の文章のどこかに必ず現れる
いい文章を書くことは日常の暮らしのありようと深いつながりがあるのです
「文章のみがき方」と共にいつも近くに置いておきたい本です
赤面しつつ、この記事を書きました…
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