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梨木香歩「冬虫夏草」

2014年02月25日 | な行の作家

 

新潮社
2013年10月 発行
2013年11月 2刷
264頁

 

 

駆け出しのもの書き・綿貫征四郎
亡友・高堂の生家の守をしながら執筆に励む日々
「家守綺譚」の続編です

前半は、綿貫の日々の暮らしと近辺の植物の芽吹きや成長
後半は、行方知れずになった愛犬ゴローを探す鈴鹿山中の冒険物語
そこで出会うのは、その土地の厳しい自然の中で真摯に生きる人々、そして人にあらざる者たち
ゴローを探す旅の中で知る自然への畏怖と敬意

それは、ついこのあいだ、ほんの100年すこし前までは確かに日本にあった暮らしなのです

 

ようやくゴローに出会えた綿貫のひと言『家へ、帰るぞ』で
「村田フェンディ滞土録」のラスト、玄関で鸚鵡の籠を抱いた村田と、多分傍にいただろうゴローを思ってホロリときてしまいました

 

本作では高堂の登場は二度ほどのみ
生きるものの力が増せば、死せり者のそれは少しずつ弱くなっていくのでしょうか

 

 


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