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荻原浩「幸せになる百通りの方法」

2012年07月11日 | あ行の作家

 

文藝春秋

2012年2月 第1刷発行

285頁

 

 

短編集です

 

「原発がともす灯の下で」

息子夫婦と同居中の絹子

周囲はボケが始まったと思っているらしいが、本人は絶対に違う、マトモだと確信してる

滑稽です

誰でも、自分はマトモって思っているのですよね

それはあくまで『主観』です

 

「俺だよ、俺。」

オレオレ詐欺の話

面白かったし、言葉の裏に見える大阪のオカンの情にホロリときました

若者よ、行き詰ったら実家に帰ってみても、良いんじゃないかな

 

「今日もみんなつながっている。」

登場人物が少しずつリンクしていきます

名前だけですが、イササカ先生なんて小説家も登場して、ラストまで読んで伊坂幸太郎テイストを目指したのかしら、と思いました

 

「出逢いのジャングル」

一人の女性の目線で見た婚活出会いパーティの様子

なんだかんだ言っているけど、もしかしたら最後には運命の男性を見つけたのかも?

 

「ベンチマン」

リストラされた男性が、家族には内緒で毎朝会社に行く振りをして家を出て公園のベンチで時間を潰して帰る

荻原さんお得意のサラリーマン小説です

 

「歴史がいっぱい」

恋人は歴女

振り回されつつも、付き合う男性

最初は「軟弱だこと」と思いましたが、段々「いい男」に見えてきました

お幸せに^^

 

「幸せになる百通りの方法」

ハウツー本を読み漁りレベルアップを目指す男性

自分の生き方とは対極にあるストリートミュージシャンの女性と出会ったことが、やがて方向転換につながる

 

 

どれも、読後は心が温かくなるような優しいお話でした

日本の空の下

色んな人が色んな毎日を過ごしている

良いこともあれば悪いこともある

でも、きっと最後の最後には微笑むことが出来るんだよ、という荻原さんの優しい声が聞こえるようです

 

 


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