奥田英朗「我が家の問題」

 

 

 

集英社文庫
2014年6月　第1刷
2014年8月　第3刷
解説・吉田伸子

 

「甘い生活」
長く独り暮らしをしていた男性
甘い新婚生活が始まったのも束の間、息苦しさを感じ始めるのでした
そんな夫をきちんと見ていた妻
解決方法は？

 

「ハズバンド」
夫の会社のソフトボール大会で、夫は仕事ができないらしい、と気づいてしまった妻
会社でどんなに辛い思いをしているのか、考えるだけで自分も辛くなってきます
そんな夫を励ますために作り始めた愛妻弁当が夫の支えとなっているようです

 

「絵里のエイプリル」
偶然、両親の不仲を知ってしまった女子高生
苦悩の中、大人へのハードルを一つクリアします

 

「夫とUFO」
夫から、UFOと交信していると聞かされた妻
よくよく調べていくと、会社でのストレスから幻覚を見ているらしいことが判明
妻の対処方法が滑稽ながら、夫第一、真剣さが伝わってきます

 

「里帰り」
東京に暮らす新婚夫婦
初めてのお盆休みに夫の実家である北海道と妻の実家である名古屋を訪問する若夫婦の戸惑い、忍耐、新発見などなど
あるあるですね
夫の「名古屋弁にはメロディがある」には笑ってしまいました
そうかも^^

 

「妻とマラソン」
「家日和」にも登場した家族の後日譚
悩みを抱えつつ、寄り添う家族の姿に温かい気持ちになれます

 

何だかんだと言っても配偶者を、親を、兄弟を思いやる主人公たち

奥田さんに、家族は本音で向き合うことが大事なのだと言われたような気がします