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荻原浩「僕たちの戦争」

2010年07月31日 | あ行の作家

2001年9月11日
台風の中サーフィンに出かけたフリーター(でもバイト先をクビになったばかり)の尾島健太
波に流され辿り着いた先は1944年
どっきりカメラかと思っていたら本当に戦争中
助けてくれたおばあさんの家で空襲に遭う
そして「石庭吾一」と間違われ軍に連れ戻されてしまう


その吾一は軍国青年
1944年9月11日
飛行訓練中遭難し気がついたら2001年にいた
皆に「健太」と呼ばれ、髪の色は赤、金、茶、肌を露出しまくった異国人みたいな男女がうようよいる世界
ここは敵国か?

年齢も外見もそっくり同じ彼らがタイムスリップで入れ替わってしまったらしい
彼らがそこで生きて、そしてとった行動とは・・・・
戦後60年でここまで価値観が変わってしまった日本って…

戦争中に飛ばされた健太より吾一のほうがラッキー?
そんな思いで読んでいましたが吾一の60年後の日本を見る目線
とうてい同じ日本人とは思えない現在の日本人、日本語
その価値観の違いを吾一の視点からみせつけられることで私の目線も変りました
1944年と比べて現在が悪いとは言えないと思う
けれど、吾一の目線でみてみると
私たちは一生懸命に生きていないのではないかしら
とも思える

翌年8月15日
健太と吾一は沖縄で二たび同じ時間、同じ海にいる
御国の為に死ぬことを考えなくてもよい60年後の日本より、自分が生きた時代、自分の価値観に合致する時代に戻ろうとする吾一
自分や恋人ミナミのご先祖様を生かすため自ら志願して人間魚雷「回天」に乗り込んだ健太

2人は本来自分があるべき元の時代に戻ることが出来たのでしょうか…

海辺で待つミナミの元へ戻ったのが、健太だったのか、吾一だったのか
どちらであったとしてもミナミと共に逞しく今の日本で生きていくのではないでしょうか

以前、森山未來クン主演でテレビドラマ化されましたね
原作を読んでも、彼以外誰が演ずるのか!と思いました

帯には
最後は涙、涙、また涙
とありますが
ん~
涙はありませんでした
爽やかな青春小説という感想です


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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はじめまして (ねこやま)
2011-05-18 16:10:14
わたしもドラマ見ました!
ドラマでも同じようなラストで・・・
本だとどうなってるんだろうって思って手に取りました。
どちらともとれるラスト、わたしはケンタだといいなと思いました。
でもって、涙はにじんだぐらいでした^^
返信する
ねこやまさん (こに)
2011-05-19 23:57:56
はじめまして
コメント&トラバありがとうございます
涙は…、やっぱり?
荻原さんに引き出しの多さに驚きますね
返信する

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