ポプラ文庫
2012年4月 第1刷発行
114頁
樋上さんの描いた少女の絵に小川さんが書き加えた物語
樋上さんの描く少女は、無表情で硬質、でも危なっかしいような妖艶さが感じられます
小川さんの物語とのコラボは1+1=2以上のものに仕上がっていると思います
スワンキャンデー〈湖の雫〉を販売する店の一角にある[忘れ物図書館]
昔、祖父が世界中の忘れ物保管室を回って集めたという原稿を翻訳し贅沢に造本したものを置いた図書館です
座り心地のいい椅子を数脚と机、ランプ、葉巻、紅茶も用意しました
もちろん、本を読みながらなめてもらえるよう、机の真ん中にはキャンデーが一掴み
キャンデーの味が、杏、シナモン、薄荷、ジンジャーと続くまでは良かったのですが、さらに珊瑚、蚕、鱗粉、たてがみ、羊水…とくると
さあ、小川ワールドの始まりです
「ずきん倶楽部」
「アリスという名前」
「人魚宝石職人の一生」
「愛されすぎた白鳥」
人間のエゴ、曖昧さ、矛盾、残酷、諦め、忘却
どれも気持ちのよい物語ではないけれど、何故だか静謐な空気に覆われているような感覚に陥ります
樋上+小川の為せる技でしょうか
これ、すっごく大好きな本なんです。
娘にも読ませて、いいよねー!!と親子で大ファンなの。
小川作品の中でも3本の指に入る好き度です。
最近、小川さんのエッセイ本・・タイトルなんだっけか・・忘れちゃった(最近ほんと記憶力が無い・・マズイ)を読んだのですが、愛犬を亡くした事とか書かれていました。
類は友を呼ぶのかしら。
親子で共通の話題があるって良いですね!
最近のエッセイ、散歩がなんとかってのかしら。
私の記憶もいい加減です。<m(__)m>
「カラーひよことコーヒー豆」で愛犬の散歩のことが書かれていたような記憶があります。
そうでしたか、天国に行ってしまったのですね。