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平安寿子「パートタイム・パートナー」

2010年08月07日 | た行の作家
デート屋を生業とする進藤晶生・28歳
デート屋といっても、欲求不満のお相手ではありません
ビッグスマイルでお客様の愚痴を聞いたり、長所を見つけて褒め上げて自信を深めてもらったり、元気になってもらったり
2時間1万円で領収書をきって、さようなら
ちょっと危ないお客様に財布のお金を抜かれたり、男に殴られたりしても
「ほら、そこが君のいいところだよ」なんて言って微笑む

晶生の上司?的立場の美しい女性、可奈が自分のことを語る
『プライドを守るために自分で作ったイメージの壁の中から出ない、他人も入れない、人間関係に用心深い、本心を表に出さない、思っていることを素直に口に出来ない、本当のことを言える友達のいないプライドの奴隷』
晶生
『今、本当のことを言っているからプライドの奴隷なんかじゃない』
可奈
『そう、つまりこれがデート屋の仕事の学習効果なわけ、他人の生活を覗き込むには、自分も壁の中から出なくちゃね』

晶生とデートする女性が語る過去から現在の自分の事、家族の事、不倫相手の事

平さんの小説は優しくて暖かくて、だけどクール且つシャープで甘ったるくなくて、心地良く読みやすく明快
苦笑いする部分も多いんですけどね

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