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荻原浩「さよなら、そしてこんにちは」

2011年04月17日 | あ行の作家

 

光文社文庫
2010年11月 初版第1刷発行
解説・瀧井朝世
281頁


「さよなら、そしてこんにちは」
葬儀会社に勤める男性
仕事柄、ちょっと困るのは笑い上戸だということ
もうすぐ生まれてくる子供のことを考えるとお葬式の司会をしながらも思わず微笑が…

「死」を扱っていながら軽くホンワカしたお話です
誰にでも、業務内容とは関係の無い、それぞれの生活がある、ということです


「ビューティフルライフ」
東京には本物の空が無い
一家の大黒柱の強い希望でド田舎に引っ越した一家
近所にはコンビニも自動販売機も無い
文句ばかりだった家族にやがて変化が現れ始める

幸せな生活とは?
便利さ、快適さだけで手に入るものでは無いのです


「スーパーマンの憂鬱」
スーパーの仕入れ担当者
毎日の生活情報番組で取り上げられる食材のチェックに暇が無い

サラリーマンの悲哀です
「やだやだやだやだやだ」と繰り返しながら踊るしかない
でも家族を養うため、頑張るしかないのです


「美獣戦隊ナイトレンジャー」
夫、幼い子供二人、姑と暮らす専業主婦
唯一の楽しみはイケメン俳優が出演しているヒーローもの番組を毎週欠かさず見ること
イベント会場で憧れのイケメン俳優の実像を見てしまった彼女は…

専業主婦だって毎日頑張っているのです
ママは本当は秘密のパワーを持っているのです


「寿し辰のいちばん長い日」
ネタも腕も最高の寿司屋
しかし客足は伸びず経営は苦しい
一人の客の行動にとんでもない勘違いをした主人は…

自分に自信がある人に限って騙されるんですよね
もう少しだけ、自分を、周囲を客観的に見ることが出来ていれば、お店も繁盛するのでしょうけど


「スローライフ」
スローライフ提唱者がスローライフブーム到来でマスコミに振り回されスローどころか超ビジーな毎日を送る羽目になる

こういう矛盾するようなおかしな話
結構多いですよね


「長福寺のメリークリスマス」
お寺の住職が家でクリスマスを祝うのは宗教上許されないことなのか

家族のために頑張るのは住職も例外ではありません


今日は幸せ
明日は不幸せ
いつから幸せになったの?
いつから不幸せになったの?
真面目に働き生活している人々の悲喜交々
仕事、子育て、自分の経験を思い出して、共感できる部分が多かったです

 


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