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橋本治「巡礼」

2013年09月04日 | は行の作家

 

新潮文庫

2012年2月 発行

289頁

 

 

以前読んだ「リア家の人々」に納得がいかなかったのでもう1作、挑戦しました

 

ゴミ屋敷にひとり暮らし、周囲の住人たちの非難の視線に晒される男

戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本を真っ当に生きてきたはずの彼は、どうして家族も道も見失ったのか

 

 

終戦を境に全く変わってしまった社会

年の離れた弟との価値観の違いが理解できない

男が生れ育った田舎町は、駅や団地ができたことで新興住宅地へと様変わりしていく

 

視野を広めることもなく時代の流れに取り残され妻とは離婚

両親亡きあと、弟とも疎遠になり、人間関係の構築も出来ず、気付けばただ一人

なぜ、自分がゴミを集めているのかもよくわからない

何かしら、きっかけのようなものはあったようだが…

 

近所の主婦たちの目線の章「ゴミ屋敷」

男の生い立ちから母の死までの章「家族」

男の弟が久しぶりに訪ねてくる章「巡礼」

 

 

なぜ、男はゴミ屋敷の住人と成り果てたのか

そこに理由はあるのか

誰もが男と同じような人生を歩む可能性を持っている

 

男の人生をなぞりながら色々と考えてしまいました

自分と似た感覚をもった登場人物が数人いたからでしょうか「リア家の人々」より理解できる内容でした

 

 

 


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