新潮文庫
2012年2月 発行
289頁
以前読んだ「リア家の人々」に納得がいかなかったのでもう1作、挑戦しました
ゴミ屋敷にひとり暮らし、周囲の住人たちの非難の視線に晒される男
戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本を真っ当に生きてきたはずの彼は、どうして家族も道も見失ったのか
終戦を境に全く変わってしまった社会
年の離れた弟との価値観の違いが理解できない
男が生れ育った田舎町は、駅や団地ができたことで新興住宅地へと様変わりしていく
視野を広めることもなく時代の流れに取り残され妻とは離婚
両親亡きあと、弟とも疎遠になり、人間関係の構築も出来ず、気付けばただ一人
なぜ、自分がゴミを集めているのかもよくわからない
何かしら、きっかけのようなものはあったようだが…
近所の主婦たちの目線の章「ゴミ屋敷」
男の生い立ちから母の死までの章「家族」
男の弟が久しぶりに訪ねてくる章「巡礼」
なぜ、男はゴミ屋敷の住人と成り果てたのか
そこに理由はあるのか
誰もが男と同じような人生を歩む可能性を持っている
男の人生をなぞりながら色々と考えてしまいました
自分と似た感覚をもった登場人物が数人いたからでしょうか「リア家の人々」より理解できる内容でした
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