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橋本治「リア家の人々」

2013年04月01日 | は行の作家

 

新潮文庫

2013年1月 発行

363頁

 

 

帝大出の文部官僚・砺波文三

敗戦後、公職追放の憂き目に逢うが復職

その歓びも束の間、妻は病で逝き3人の娘と文三が残される

やがて長女、次女はそれぞれ嫁ぎ、年の離れた三女と二人、静かな生活を送る文三だった

 

同じ「昭和」でも「三丁目の夕日」のようなノスタルジーを感じさせるものではありません

戦前生まれの父親が感じる娘や親戚の若者との価値観の違いからくる孤独

新しい時代の人間から見る古いタイプの男への反発心

 

自分より若干上の世代の話で、イマイチのめり込めませんでした

家庭内の雑事や家事労働と自分は無関係と考える文三

その時代の男は、そういうものだった、と繰り返されるのがまた不愉快

そこでもう一歩踏み込んだ心理描写があればいいのに、と幾度思ったことか

ただ、橋本さんの文筆力には感じ入るところが多くありました

文筆家として確固たるものを持っている方のようですね

 

 


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