新潮社
2000年1月 発行
269頁
平凡なサラリーマンから“奇跡の生還者”になった男
飛行機事故から生還した男を待ちうけていたとんでもない出来事
愛と命を賭けた奇妙な戦いが始まった
「戦い」の相手はマスコミか航空会社かと想像していたのですが、全く違う奇妙な相手との「戦い」でした
主人公は30代後半、営業マンとしてはやり手の部類に入る『服部さん』
妻と二人の子どもとマンションで暮らしているが、何と!妻には内緒の若い愛人がいるのだった
最初から最後まで『服部さん』と呼ばれる主人公
呼び名が親しみやすく没個性的だからなのか、決して良き人とは思えないのに何故か応援してしまう不思議なキャラです
出張帰りの飛行機が海に墜落
奇跡的に生き残ったのが服部さんと高木という男性二人のみ
二人は墜落現場近くを航行していたクルーザーに救助されたのだが、不思議なことにクルーザーに乗っていた『奥様』と息子は自分たちが救助したことを表ざたにしたくないらしいのだ
現実にはありえそうもない、服部さんと高木へ向けられる『奥様』からの「理不尽な復讐」
『奥様』の秘書・水倉の秘密警察モドキの働きにより服部さんは徐々に追い詰められていくのだった
服部さんvs水倉の「戦い」はまるでアクション映画一歩手前ですが、水倉や『奥様』も憎めないキャラとして描かれています
ユーモアたっぷり荒唐無稽なストーリー展開を楽しませてもらった長編小説でした
ところで
「服部さんの幸福な日」っていつだったのだろう?
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