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長田弘「なつかしい時間」

2013年06月27日 | 新書

 

岩波新書

2013年2月 第1刷発行

246頁

 

 

言葉、風景、人たち、本…。

この国の未来にむかって失われてはいけない大切なもの。

二十世紀の終りから二十一世紀へ、そして3・11という時代に立ち会いつつ、再生を求めて、みずからの詩とともに、NHKテレビ「視点・論点」で語った十七年の集成。

 

 

「視点・論点」

以前のプログラム名は「NHKニュース解説」

偶然見たことが何回かある程度ですが面白いと思っていました

現在の放送時間は、本放送が平日早朝、再放送が平日昼間ということでナマで見ることが出来ないのが残念です(録画してまで見る気は無いデス)

 

 

余裕の無くなった現代人に

近くばかり見つめていないで、たまには遠くの風景をボンヤリ眺めてみよう

いつもと違う情景を見つけに街を歩こう

などと語りかける言葉は平易でわかりやすく、尚且つ豊かで素直に心に染み入ってきます

 

 

生きること、時間について

 

人生というのは人の、日々の時間に対する態度のことだ。夏目漱石は、確かそういう意味の言葉を『道草』という物語のなかにのこしています。しかし、わたしたちの一日の時間をゆたかにしてきた、ゆるやかな時間、そして一瞬という特別な時間は、いまはとても実感しにくい、失われゆく時間になってきています。

 

日々の時間に対する態度を変えてゆかなくてはいけない。時間を細切りにしないで、大きく、ゆっくりと、一日の特別な時間を手にしてゆくことができなくてはいけない。そうでなければ、わたしたちの感受性はどんどん貧しくなっていってしまう。

 

たった一つの時間だけがあるのではありません。水辺には水辺の時間があります。緑陰には緑陰の時間があります。夜には夜の時間があり、対話の時間もあれば、孤独な時間もあります。それぞれの時間は、それぞれに時間の数え方がちがうのです。時間の数え方をたくさんもっているほど、人は一日の特別な時間をもつことができる。そう言っていいのではないでしょうか。

 

 

古今東西多くの本を読んでおられる長田さん

新しい本を読むのは勿論必要ですが、古い本からも吸収すべきことは多いと仰っています

 

読書に関する話で取り上げられていた

フェルドゥスィー「王書」、中野重治「梨の花」は是非読んでみたいと思いました

 

 


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