読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

夏目漱石「それから」

2010年04月26日 | な行の作家

30歳になっても職に就かず実業家として成功した親の援助の下で暮らす高等遊民・代助
理の人である彼は糊口を凌ぐ為の労働というものを理解しない

裕福な暮らしを捨て友人の妻・美千代との恋を成就させようと動き始めた代助の狂気

「職業を探してくる」と町にでた代助は「焦る焦る」「ああ動く。世の中が動く」
とさけび真っ赤になってくるりくるりと回転する世の中を見る



「三四郎」
「それから」
「門」
三部作の中では一番読み辛い作品でした

ユーモアと自由に溢れた「三四郎」のそれからが「それから」とは考えにくいですが
「三四郎」の美禰子の『無意識の偽善』と同じものが「それから」の代助を苦しめている、と漱石が語っています

「それから」のそれからが「門」
代助と美千代が「門」の宗助と御米のように互いだけを頼りにひっそりと暮らしたのでしょうか


この物語の終局には悲劇しかありません


希望なんか無いわ、何でも貴方の云う通りになるわ
漂白---
漂白でも好いわ、死ねと仰れば死ぬわ


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画・アリス・イン・ワンダ... | トップ | 宮部みゆき「地下街の雨」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ロビタ)
2011-04-12 08:55:24
「彼岸過迄」の中での高等遊民は、彼らのおおらかさというか、
そういうライフスタイルを提案、といった程度にしか
描かれていなかったのですが、「それから」では現実を
描きまくっていて、まあこれが本来のモラトリアムだということ
でしょうかね。
返信する
ロビタさん (こに)
2011-04-12 20:23:57
現代ならば、代助の父親、兄、兄嫁の言うことが尤もなのでしょうがね

本当の主人公は美千代ですよね
藤谷美和子さんピッタリです!
返信する

コメントを投稿

な行の作家」カテゴリの最新記事