あれから5年 （4）

私にとってこの手術を受けた事は、
自分の中に大きな区切りを付けたような出来事でした。

がんを患って命には期限があることを知り、
”死”が目の前に迫った時、
初めて私の中にあった”生”が輝きだしたのです。

私はどう生きてきたのか？
生きる意味は？
今までいったい何をしていたんだろう？

これからちゃんと生きなきゃ！
でもどうやって？？

自分らしく生きればいい。
でも”自分”ていったい何？？

命が助かっただけでは、
結局私は生きてゆけなかったのです。
胸に傷を持ち、心の不安定さともろさを抱え、
心から笑えない自分のままで生きるのは辛く、
苦しい。

明日のことはわからないから、
後悔の無いよう自分らしく生きたい。
明るく、ポジティブに、いつでも笑っていたい。

その為の第一歩が、この手術でした。
胸の傷を治すことが、心の健全に繋がり、
自分が自分である為のスタートラインに立てる。

そう信じて行動したことに、間違いは無かったと、
私は手術を終えてから日々実感する事ができました。

”笑顔がいいね”
1か月近くに及ぶ入院生活で、
初めて会う何人もの人に言って頂き、
人に会う事が楽しく、毎日を生きる事が、
本当に嬉しくて仕方ありませんでした。

手術から数日後、私は病院のベットの上で、
40歳の誕生日を迎えました。
親しい人達に囲まれた40代のスタートラインは、
とても希望に満ちたものとなりました。

心から人生を愉しみ、感謝出来る自分になれた事。
手術を通して私は人生の”転機”を経て、
輝ける40代を目指そうと、
本当の自分探しの旅を始めるのです。

あれから５年、様々な出会いを繰り返し、
自分の糧とし、沢山の幸せを実感してきました。

でも、生きてゆくということはとても大変で、
この5年間も良い事ばかりではありませんでした。
でもそれは生きているからこそ味わえる苦しみ、
哀しみ、そしてかけがえのない喜びです。

ここに生かされている意味を知る為に、
人は様々な感情を味わうのかもしれません。

この世で起こるすべての事に意味があり、
無駄な事は何一つ無いと信じていれば、
どんな事が起ころうとも、受け入れて生きてゆける。

私ががんを経験して学んだ一番大きなことです。

今日21日、私は誕生日を迎えます。
あれから5年、
お陰様で輝ける40代の折り返し地点に立てました。

生かされてきたことに感謝し、
また自分探しの旅を続けてゆきたいと思います。

出会ってくれた方々に、
心からの感謝と笑顔を送ります。
ありがとうございました☆



※今日の画像は6月の”イヴ・ピアジェ”
　ひらひらとした大輪のバラは、まるで芍薬のよう。
　こういう咲き方を”シャクヤク咲き”と言い、
　私はとても魅力を感じます。

　”つるイヴ・ピアジェ”ともども、
　私の庭に華やぎを与えてくれています。
　今も、そしてこれからもー。



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☆今日の庭　ミエルの薔薇色の記憶