Aさんに入った電話は、
隣町に住む古くからのお友達からで、
『ほうれん草がたくさんあるから取りにおいでー』
と言うものでした。
『その友達の家はお花が凄いのよ。
お花見がてら一緒に行きましょう。』
話はすぐにまとまり、
車で15分のお友達のお宅に行くことになりました。
私は走った事の無い道でしたが、
そのお宅は畑に囲まれた静かな場所にありました。
道路から駐車場までのながーいアプローチには . . . 本文を読む
病院を出た私は、
佐原のお友達Aさんとランチの約束をしていたので、
病院から程近いAさん宅に迎えに行きました。
家の前に出てきて待っていたAさんは、
私の車に乗り込むと、
『どこに行きましょうか?行きたいとこある?』
と聞いてくれたので、ずっと前から一度行ってみたかった、
広いお庭のある隠れ家風レストランの名前を言うと、
『いいわよ、行きましょう!』と、
Aさんは二つ返事で案内してくれました。
. . . 本文を読む
今日は佐原病院の内科を初めて訪れました。
例の肝炎の画期的な治療のことで、
専門の医師に話を聞くためでした。
『先生が行っていると言う、
”瀉血(しゃけつ)”について伺いたいのですがー。』
私は自分の病歴をざっと話し、
千葉大で聞いてきた”瀉血”と言う治療法を、
佐原病院でも行っている先生がいると、
乳腺の主治医から聞いたと伝えると、
その内科の医師は、詳しく説明してくださいました。
”瀉 . . . 本文を読む
雨に煙る街並みに
ハッと際立つ色がある
それはモクレンという白い花
透けた木の枝に
つぼみだけがポンポン灯る
ともし火のように
空に向かってポッポと灯る
白い炎は灰色の空を
優しい白亜に染めてゆく
白きことは何ものにも染まらず
白さゆえ周りを清らかに変えてゆく
木に咲く蓮と書く木蓮は
仏の心を持っているのか?
夜の闇でも青空でも
白い花はひときわ映え . . . 本文を読む
時々ふと寂しさを感じる
どういう時だろう?
それは多分
誰とも繋がっていないと感じた時
”たったひとり”という孤独にさいなまれると
生きてゆくことを
あっさりと投げ出してしまいたくなる
誰かとのほんのわずかな繋がりの中に
大きな安心と生き甲斐を見出すのだ
ひとりは怖い
ひとりでは生きられない
誰かと繋がっていたい
誰かの役に立ちたい
お金でも物でも無い
. . . 本文を読む
こんな日が来るなんて
思いもしなかった
あの日傷を負ったあなたは
哀しい想いを瞳に隠し
誰を恨むことなく生きていた
わたしはあなたに愛をあげたかった
抱きしめて一緒に泣いてあげたかった
傷を治すため
親と離れて暮らすあなたは
小さな子たちの世話をやいていた
同じ境遇の幼子たちの痛みを
嫌というほどわかるあなたが
わたしは不憫でならなかった
別れの日あなたは
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診察を終えた私は病棟に上がり、
日帰り入院で抗がん剤治療を受けているTさんを見舞いました。
ベットに横になって点滴を受けていたTさんは、
先月よりも顔色が悪く見え、少し心配でしたが、
話しているうちに精気を取り戻したようでした。
この日診察だったbookoちゃんにも来て貰い、
Tさんに紹介しておきました。
知った顔をどんどん増やす事で、
辛い治療中や新しい病院でも、少しは心が落ち着き、
つかの . . . 本文を読む
昨日金曜日は乳腺外科の通院日で、
主治医のもとを訪れました。
来月からは主治医の異動についてゆく為、
私達の通院は佐倉という場所にある病院に変わるからです。
『早いですね、もう来月ですね。』
『そうだね、ここで会うのはもう最後だね。
火曜と木曜に外来が決まったから、
この紹介状を持って適当な時に来て下さいね。』
この前千葉大の内科の先生に聞いてきた、
肝炎の画期的な治療法について話してみる . . . 本文を読む
憂いていないで
はかない命だから
過去を悔やみ
未来を嘆き
目の前の幸せを
見過ごして生きるなら
与えられた生が
光を放つことは無い
もしも君なら
どう生きるのだろう?
哀しみを受け入れ
未来の希望に変え
今を一途に生きられるのなら
目の前に輝く
幸せを失うことは無い
どうにもならない
つかの間の生なら
大切なものを握りしめ
愛をその胸に
高く高くかざ . . . 本文を読む
焼きたてのパンと
フレッシュな野菜
味わいのあるミルクに
旬の果物
青空と光を背景に
窓辺を飾る彩りの花たち
自然をいただく
命となる自然
他に何もいらない
豊かな時間が流れる
至福の食事風景
自然と感謝に包まれて
”いただきます”
”ごちそうさま”
感謝をいっぱいいただきました
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いつもは何かと慌しい朝やお昼の食 . . . 本文を読む
ぐるっと見渡す青空の中を
真綿のような白い雲が
意気揚々と泳いでる
空がえらく近くて
やけに低く感じた
私の中の何かが変わったのだろうか?
どこまでも晴れ渡った青空の中に
澄んだ光のベールが
時々そこはかとなく見え隠れする
空がえらく広くて
やけに幅を感じた
人の心もそうなれるのだろうか?
小さな人間の中にも
大きく拡がった空を持ちたい
幅のある . . . 本文を読む
離してはいけない
あなたとの絆
片手からすり抜けても
もうひとつの手で
しっかりと握っているから
今まで積み上げてきたものは
目に見えない結び目となって
ふたりを固く繋ぎとめる
怖れないで ひるまないで
ただ信じること
苦しみを乗り越え
喜びを分け合ったあの時
固く結ばれた絆が
確かに見えたあの時
その一瞬を信じて
今 飛び出そう
大きな憧れに向かって
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先週の金曜日、私は夕方の高速バスで、
東京に向かいました。
行き先は原宿ビックトップ。
今話題の【ドラリオン】を観てきたのです。
カナダを本拠地とする”シルク・ドゥ・ソレイユ”は、
サーカスと大道芸を融合させたアーティスト集団。
しかし、彼らのステージを1度でも観たら、
今までイメージしていた”サーカス”というものが、
一瞬にして消え去ってしまい、
経験した事の無い驚きと感動が、
怒涛の如く押 . . . 本文を読む
あなたが愛しく思えるのは
ただ無心に生きているから
あなたを守ろうと思うのは
心のままに泣いているから
あなたはこの世にいったい何を
もって生まれてきたのだろうか?
その小さな手で握っている
目に見えない大切なものを
大人たちは決して
取りあげることはできない
生まれたことの意味を
あなたは教えてくれるだろう
今という奇跡と
明日という希望を
からだ中であらわし . . . 本文を読む
先週の日曜日、お墓参りの後に、
私たち家族はお墓の隣にある【明治寺】を訪れました。
いえ、訪れたと言うよりは、
導かれたと言う表現がピッタリかもしれません。
お墓へは車で行ったのですが、
その界隈はとても入り組んでいて、
ちょっと迷いながら入った道の先に、
【明治寺】の名前を見た時に、
『あっ!百観音!後で行かなくちゃ。』と、
自然にそう思えたのです。
家族皆もすぐに了解し、お墓参りを済ませてか . . . 本文を読む