【週刊ゲーム市場分析】劇場版公開も、アニメファンを取り込み切れなかったPSP版「TIGER&BUNNY」

2012年09月30日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第64回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想するYSO3の参加型企画「Y1」もよそしく!

→ファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。


■DS版に遅れること6年、PSP版「ファイナルファンタジーIII」発売

今回の首位はDSからの移植となるPSP「ファイナルファンタジーIII」(4.6万本)。ここで「FF」シリーズの移植・リメイク版の初週販売本数をまとめてみた。

【追加】PSPの枠に「ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション」のデータを追加



DS版「FF3」はファミコン版以降、他機種で出ていなかったこと、大きくリメイクされたことなどから初週50万本超、累計100万本超を販売する大ヒットとなった。しかしPSP版はDS版から6年以上経過しているにも関わらず、追加要素がほとんどなかったことから、同機種の「FF1」や「FF2」とそれほど変わらない本数にとどまっている。


■重要な「テレビアニメ放映からゲーム発売までの期間」、明暗を分けた3タイトル

7位には劇場版公開と同時期の発売となった「TIGER & BUNNY オンエアジャック!」がランクイン。ここでまた、アニメディスクの販売枚数とゲームの初週販売本数を比較するデータを更新してみた。



テレビアニメ放映中に発売された「アクセル・ワールド」はアニメディスクと比較しても好調な販売となったものの(PSP版とPS3版は同タイトル・同内容なため本数を合算)、テレビアニメ放映終了から1年前後が経過していた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や、今回の「TIGER&BUNNY」はアニメディスクの販売と比較すると落ち着いた本数となっており、やはりゲームの発売時期をテレビアニメの放映に近づけることが重要だということが分かる。

今回の「TIGER&BUNNY」は劇場版の効果も期待されたが、そもそもこの作品はメインキャラに男性キャラが多く、女性層の支持が高いと言われている。男性ユーザーが大多数を占めるPSPとは相性がよくなかった可能性がありそうだ。ほかにも「STAR DRIVER」や「デュラララ!!」も同様のことが言え、ゲームの発売がテレビアニメの放映に近かった割には、ほかの作品に比べて「係数」が小さくなっている。今後も女性層の支持が高いと思われる作品をゲーム化する際は、女性ユーザーの割合が高いDS(3DS)での展開も考える必要があるのではないだろうか。


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