山形県は尾花沢市、銀山温泉に行ってきました。
銀山温泉は、山の中にある小さな温泉街です。
大正~昭和初期に建てられた木造の旅館が川沿いにたち並び、なかなか
風情のある場所でした。
温泉街の端から端まで歩いてもたいした時間がかからないくらいに
コンパクトなのですが、その中にお土産屋さんや共同浴場(2か所)、足湯
が1か所、飲食店(23時頃には閉まるけど)などがすこしずつあって、
いかにも「温泉街」という感じなのです。
基本的に観光客の車は乗り入れ禁止。
少し離れた各旅館の駐車場にとめて送迎してもらうようになります。
(歩いても5分くらいかな、近いです)
そういう場所なので、ゆっくりのんびり歩くことができるのです。
今回の宿は「永澤平八」。
銀山で一番有名であろう能登屋の隣の旅館です。
木造三階建てで、部屋数は9室のみ。
なのにお風呂が貸切露天×2、大浴場×1という数。
こちらは広い方の貸切。
こちらは小さい方。両方とも3階にあります。
大浴場は1階にあったのですが、入らなかったのでどんなだったかは
わかりません。
露天といっても完全な屋外ではなくて、高い場所に大きな窓がついていて
外の風が入るという感じのものです。
川を挟んで両側に旅館が建っているので、どうしても他の場所からの目線を
さえぎる必要がありますから、いわゆる露天というような景色だとか、
そういったものが期待できるようなものではないです。
特に予約などの必要はなく、表の札を「入浴中」にして内鍵をかけて
自由に入れるタイプのものでした。
なにせこの部屋数に対しての風呂数ですからね。
繁忙期はわかりませんけど、さほどかち合わずに入れると思われます。
宿の中は、
この間泊まった会津東山温泉の「向瀧」のように、古いけれど
よく手入れされていて良い意味で歴史が積み重ねられている…という感じでは
なかったです。結構傷んでる場所もあったし。
従業員の方々も、特に愛想がいいとかにこやかだという印象は受けなかった
です。(あ、感じ悪かったという意味ではないですよ)
だけど、夜がきれいだったんです。
さすがにこういった感じの建物が何軒も立ち並んでいる様子は、平成の世
だとは思えない感じがありました。
写真上から、永澤平八・能登屋・古勢起屋です。
人がたくさんいるのは、温泉街の女性たちによる花笠踊りが披露される
というイベントがあったためです。
こういうのも、手作りっぽくて良いなぁ。
東山温泉に泊まったときも思ったのですが、こういう場所で、何もしないで
温泉だけ入ってぼーっと過ごすのって、ものすごく贅沢だよなぁと思うのです。
まぁ正直ここも、料理は質素で物足りないと思うところはありましたよ。
(山のものや川魚メインでした。尾花沢牛は良かったのですが。)
でもそれはわたしが山育ちで、結構昔からそういうものを食べて育ってきた
から、目新しさとか華やかさとか、そういったものを感じられなかっただけで。
ここもまた、真冬にしんしんと降る雪を窓から眺めて…というのが理想
でしょうね。貸切風呂もそんな感じで。
ともあれ、この夏はふたつもこういうテイストの宿に泊まれて面白かった
ですよ。
今回は台風の影響で、帰りの東北道が通行止め→いったん降りてまた乗るまで
国道4号線が大渋滞→約8時間運転しっぱなしというのは大変でしたが。
(同行者も運転できたのですが、今回わたしが運転手役だったもので。)
あー、また夏に旅行したい。
今度はもっと真夏に。