It's just me,myself and I

横浜育ち、米在住23年の女性のくだらない日記の中に、日米のギャップ、バークレーでの生き方、パイロットの毎日が見られる。

パイロットの顔をしてた

2018-08-15 | パイロットの日記


Cちゃんがフライトでオークランドに来たので会いに行った。

Cちゃんの話。



すごく良い顔をしてたよ!!

でも実はこの飛行機はパイロットは一人でオッケーな機種(Fenom 100)で、彼女はお客様の手前、必要はなくても「二人パイロットがいます。」アピールのために副操縦士として飛んでいるのだ。 まあ、航空への完全復帰を目指す彼女には良い機会だと思う。 機長はユナイテッド航空で737を飛んで、数年前に引退したジョンさんで、すごく優しくて、話しやすい人だった。

30分くらいだったけど、Cちゃんの顔が見られてよかった。

家に帰ってからスペイン語/フランス語のレッスン。まあまあ話せた。

シアトルで盗まれた飛行機

2018-08-11 | パイロットの日記









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こんな事が昨夜あって、エアラインパイロットの私の感想は、「びっくり、悲しい。」

みんなはどう思った?


ーーーーーびっくりについて。ーーーーー


飛行機はどういう形で置いてあったんだろう。周りに人はいたんだろうか。 最初は男性が整備士という情報もあったが、駐機の誘導や、荷物を動かすグラウンドクルーという話も出ている。よくエンジンのかけ方が分かったなぁ。 やっぱり整備士? 普段は大きい飛行機はチェックリストを使って、色々なスイッチを押してからエンジンをかけるから、一般人には難しいと思う。737を飛ぶ私が、邪魔をされないからQ400をスタートしてみろって言われても自信がない。

そして滑走路までの道のりは、どんな感じだったんだろう。 許可なしで、多分滑走路の途中から離陸したんだろうけど、駐機場から一番近い16Lというのは、離陸する飛行機で忙しい滑走路だ。危なくなかったのかなぁ。管制塔はびっくりしただろうなぁ。





ーーーーー悲しいについて。ーーーーー


悲しい。


男性と管制官との会話は、ここをクリック 時には、その機種を飛ぶ、ホライゾン航空のパイロットの声も聞こえる。(着陸の仕方を教えるために、男性と話すことになったパイロット。)


みんなコミュニケーションの内容、大体わかってるかと思うけど、「僕のことを慕っている人達がたくさんいるのに、こんな事をして、みんながっかりするな・・・・」

みたいな事も言ってる。 (このテープにはないかもだけど) 管制官が、「シアトル空港の飛行機のルートからは離れて飛んで欲しいから、もう少し南に飛んでくれるか。」とお願いすると素直に従ったりする。


もちろんライセンスを保持しない人が飛ぶ時点で、死者が出ていたかもしれない危険行為なのだが、無線の声を聞いている限りでは、大勢の人間を殺害したいなどの悪意は全く見られない。彼が精神的に参っていて、思い切って飛行機を盗んでしまった・・・・みたいな。



犯罪だし、逮捕はされるのが当たり前だが、人間的には終わりではない。 だから私が望んでいた結果は、滑走路でも水上でも、無事に着陸して生き続ける事。死なないでほしかった。

爺ちゃんになった時に「一時的に気がおかしくなっちゃって、勤務先の大きいプロペラ機を盗んでシアトルを飛び回ったけど、なんとか着陸して刑務所でOO年過ごしたんだ。」でもいいじゃんね。

伝説だよ、そんなの。 エアラインパイロットの私が同じ事件を起こしても伝説でもなんでもない。

でも正直に言って、実際に飛行経験のない人が、生き残れる程度のダメージで陸上や水上に着陸するというのはすごく難しい話だったと思う。 だから着陸出来ない人が離陸した時点で、運命は決まっていたのかもしれない。

降下と減速は難しいのよ

2018-08-05 | パイロットの日記

二日間の仕事が終わった。疲れた〜。 ちょっとスタミナが低いかも、最近。 雷雨が少しあったのと、重量のある737-800を数本飛んだので、管制が余り余裕(距離)なく、うちの飛行機を滑走路の方にターンをさせると、高度を落としながらスピードも落とすというのが出来ないので、「無理!」と1回言ったくらい。 そのフライトの担当は機長、着陸地はヒューストンホビー。無線は私。they asked us to keep slowing down to 170knots, but we were kept high previously and I had to tell them, we cannot descend and slow down at the same time!! (Not in the -800 anyways. ) というわけで、ちょっと角度を変えてもらったりして、安全に下ろす事が出来た。ここは滑走路が短いので、慎重に飛ばなければいけない。




持参のチキンティッカマサラ美味しかったよ! エルパソという都市のホテルの部屋の電子レンジで温めた。 ガラスの容器でね。


帰宅後、ビッグな昼寝をしてからニノ君と夕飯。 トムサープという、酸っぱい、しょっぱい、辛いスープ。骨つきの豚肉を、レモングラス、ガランガ、ライムの葉と一緒にグツグツ煮るの。味付けはライムとナンプラー。ニノ君は酸っぱいのが好きなので、ライム汁を多めに。

豚は首の所で、骨がいっぱいなので5ドルでたくさん入っている。

レシピ。

いくつものレシピを見ながら、調整するの。 塩味がきいてるから、ご飯と合うよ。


パイロットの概日リズム

2018-05-26 | パイロットの日記


金曜日と土曜日は仕事。 旅行に行ったり、お友達の案内をしたりして、3週間くらいお休みだったのかな。

甘いものや、グルテン系の物を食べたから、デトックスも兼ねて、栄養のある物を食べなきゃね。

二日間の仕事のフードバッグ
買ったサラダ2つ
大きいキャベツとケールのサラダ1つ
大きいスープ1つ
いちごとマンゴー、タッパ1つ
アーティチョーク1つ

こんな感じ。








今日の出勤時間はなんと朝4時15分。ええぇーーーー。 5時でも早すぎると思ってたのに、これはすごいレベルだね! 私はPMの仕事を好むので、午前1時まで飛んでいる時もある。だから、時々とはいえ午前2時40分に起きるのは、体に悪いんだろうなと思う。

翌日はデトロイトで西海岸時間で午前1時40分に起きた。 これからは避けたい。 circadian rhythm、概日リズムがぐちゃぐちゃで、健康を害すると思う。AMの仕事でも、朝3時に起きるのと、5時半に起きるのでは大違いだ。


ーーーーーーーーーー


昨日は小学校のボランティアだった。 子供達はちょっとした小説を書いてるんだけど、それを一緒に読むのが楽しかった。 1人中国系の子がいる。 Dちゃん。背が低くて、すごく痩せてて、あまり盛り上がらない子。 笑顔を見た事がない。 いつもボソボソ皮肉っぽい発言ばかりしているんだけど、この子は文法も文章も、すごく上手だった。状況を説明するための表現力がある。8歳くらいかな。

「Dちゃん、文章を書くのがすごく上手!!」と言うと、

「ありがとう。」

と、真顔で聞こえないくらいの音量でボソボソ言ってた。病院のボランティアでも、小学校でも、時折ズバ抜けた才能を持つちびっ子に会うことが出来て、すごく面白い。

人それぞれ背負ってる

2018-05-07 | パイロットの日記


フライトアテンダントが、チョコのバーをくれて、すごく美味しそうなのに、スイーツを自粛してるので食べられず。 機長はチョコが嫌いなそうで。 結局家に持って帰った。 心の中では、そのうち食べたいと思ってる。。。 ニノ君にあげるか。。。。





すごくいいクルーだった。 お客様にすごく優しくて、みんなハッピーに飛行機を降りていった。三日間ずっと一緒に飛んだのよ。 普通はフライト2本くらいずつ、新しい客室クルーに変わるけど。


フライトアテンダントは、それぞれ子供が3人、5人、5人だって。 すごーーい!! 子沢山。


真ん中の女性は女の子が4人、男の子が1人。 でも男の子が3歳の時に、他の子供のシートベルトを手伝っていたら、突然3歳児が走り出して、道路に飛び出たところを、運転しながらスマホを操作していた女性の車に轢かれたんだって。 こんな悲しい事ってある? 私には想像が出来ない。みんな、いろんな悲しみを背負って頑張ってるんだよね。



空の徒競走

2018-05-05 | パイロットの日記


サンフランシスコでは、前にも書いた通り、サンフランシスコ空港の滑走路28LとRへ着陸態勢に入る飛行機が見えるホテルに滞在した。 私は飛行機オタクではないけど、見ていて結構面白いよ。 二本の滑走路が平行してあるのだけれど、それぞれに着陸する飛行機がフォーメーション飛行のように入って来て着陸するのだ。

こんな感じ。








サンフランシスコはユナイテッドさんのベースなので、たくさんユナイテッドの飛行機が入って来る。 二機、すごく近く見えるでしょ。

これがすごい近いんだよ、コックピットから見ても!!

はははは。 私は副操縦士だから右席に座ってるでしょ。 うちの飛行機は28Lに着陸することが多いんだけど、28Rに着陸する飛行機が右側に見えて、ビビる。 ちっかーーーー。(近い) でね、今回はアメリカン航空のボーイング757が右側にいたの。 このフライトの担当は私。 パイロットによって、スピードの落とし方も異なるのだけれど、アメリカンさんは早めに着陸のスピードに落としたらしく、タッチダウンは私の方がずっと先だった。(とても慎重な人は早めにスピードを落とす。)



ふふふ。

徒競走で勝ったような、不思議な気分だ。


プルーン様にやられた

2018-04-07 | パイロットの日記


ボルチモアで15時間滞在して、翌日の午後に座席をもらっているオークランドへの直行便で帰ればいいやと思った。 3時間の時差のため午前1時半に寝ようと思った時、ユナイテッドさんの早朝の飛行機はどうだろうと思った。 すると数日前よりは空席があって、このままなら真ん中の席が空席である可能性がなくは無いと思った。 自社で帰ると、座席は保証されているが満席のフライトだ。ユナイテッドさんだと自分の車があるオークランド空港への直行ではないが、スケジュールよりも6時間も早くカリフォルニアへ戻ることができる。




これで帰ろう。( 乗客として帰る場合は、仕事のフライトから外してもらうことができる。お給料はそのままもらえる。)



というわけで睡眠が少ないのは体に悪いと知りつつも、午前5時にボルチモア空港に到着した。



最初はこの前と同じように苦しい席を渡された。何かと言うと、非常口の席でスペースはあるのだが、真後ろも非常口なので背もたれが倒れない。倒れないどころか、ちょっと前かがみっぽいところがあるのだ。これで6時間はとてもつらい。 航空関係者ということでスタンバイで乗っているので、座席に関する文句を言いたくなかったのだが、フライトが長すぎるので丁寧に言って席を変えてもらった。そしたらさっきの席より5割楽な席で、真ん中にもお客さんがいなかった。変えてもらってよかった。


すごくお腹が空いていて、パン禁止中なのでラップも良くないとは思ったけれど買ってしまった。


オレンジジュースは甘く見て、クッキーは食べず。おいしいから持ち帰ったけど。


フライトのバックに5個ほどドライプルーンが残っていたのでそれを食べた。


サンフランシスコ到着。



割増の仕事で、二日間で結構稼いだので、ゴージャスにUBER (ライドシェア、タクシー) で自分の車が置いてあるオークランド空港へ帰ろうとしたら、普通で50ドル、相乗りでも40ドルという事だったので、庶民な私は電車で行くことにした。電車だと17ドルくらい。

電車に乗って20分位でお腹がゴロゴロ言い出した。まさか、あのプルーンの仕業か。 日本では考えられない話だが、ここの駅のトイレは必ず開いているという保証がない。電車を一旦降りてトイレが閉まっていたら、それこそ大変なことになる。開いていてもホームレスの人が使ったりするのでとても汚かったり臭かったりするのだ。(失礼な話し方ですみません。) 余談ですが、駅のエレベーターには、エレベーターの中でうんちをしてはいけません、という張り紙が貼ってあるくらいです。アメリカってすごいところです。)


あ、そうだ。 ショッピングモールがある駅ならば、トイレは必ずある。 便意が増して、かなり切羽つまった感じであったが、電車を降りて、駅の床で死んだように横になっている2人のホームレスの人の目の前を、心の中では泣きそうな顔になりながら早歩きをして、何とか間に合った。 ひゃーーーー。 プルーン様様。 でもその夜またプルーンを10個ぐらい食べたけど、腸に溜まっていない時は、なんともないようだ。


ははははは。


1人でジャイアンツスタジアムに前田投手を見に行きたかったが、雨で中止。

フロリダはほぼ横断

2018-02-25 | パイロットの日記



エンジンの油漏れで戻ってきた話の続き。 緊迫感の中、二人とも、特にT君はシャキシャキ動いて無事出発点に着陸をして、すごく頼もしかったよ。 この空港には管制塔がないので、デイトナビーチ国際空港の官制が「着陸したら、無事を伝えるために、電話をしてください。」とお願いしていた。 たくさんのオイルが漏れると、エンジンが止まってしまうので、心配をしたようだ。


あれ〜、アメリカ横断のはずが出発地点に戻って来ちゃったよーと3人で落胆していたのだが、エンジンがまだ熱いこともあって、とりあえずランチをしに行くことになった。T君といつも一緒にいる男の子達も来て、みんなで8人。これはこれで楽しいのだが、T君と、その彼氏っぽいA君はタバコを吸うので、タバコ嫌いな私には辛い。 まぁ風向きを見て、席を変えてくれるんだけどね。 風向きも変わるじゃん。 レストランで吸うタバコに関しては、カリフォルニアよりフロリダの方がルールがゆるい。屋外の席なら吸ってもいいらしい。T君、1日何本、何箱吸うんだろう。


ランチを終えたので、オイル漏れのあったエンジンを開けてみると、昨夜T君がオイルを足した時に、キャップが上手く閉まっていなかったらしく、エンジンの振動でキャップが外れて、そこから少しずつ漏れたらしい。むむむ。どうしてちゃんと閉まっていなかった。。。。。というところは、無視する事にした。 確認すればよかった、いやT君を信用していないというジェスチャーだ。。。。。色々な考えが頭をよぎるが、過ぎたことはしょうがない。 パイロットのT君は、こういう所はしっかりしている人なので、きっと恥ずかしく思っているだろう。もういいや。


オイルが漏れた所をきれいに拭いて、T君の携帯がないと大騒ぎをしてから、やっと再度離陸。 今度こそアメリカ横断だぞ。 ははは。 最初の燃料補給はルイジアナ州の小さい町だ。 デイトナビーチからは3時間くらい。私は。。。。やっぱり眠かった。 前に座っている二人よりは多く睡眠を取ったのだが、実際に操縦桿を握っていないと、振動とエンジンの音でウトウトするのだ。 多分3割くらいの時間はコックリ、コックリしてたよ。ウケる。 途中、T君が機内でタバコを吸ったので、それはすっごく嫌だった。 (自家用飛行機内で吸う人は珍しい。) ううぅうーーーー息出来ないよ。 でもCのために、我慢、我慢。 とほほ。。。 2時間くらい経ったところで、左エンジンのオルタネーター(発電機)の故障を伝えるライトが点灯した。 これまた緊急事態ではないが、厄介な整備の問題だ。 修理はお金もかかる。 その後、Cちゃんが操縦桿の感触が違う、おかしいのではとT君に伝える。気のせいなのか、本当に何か違うのかは、後部座席でウトウトしている私には分からない。 こんな感じで、とりあえずペンサコーラというフロリダ州の西境界線に近い街へ降りることになったのだ。「あー、きっとアメリカ横断は中止だな。」そこで私は思った。 T君はお金があるのでメンテナンスを節約しようとはしないが、デイトナに帰って、自分の知っている整備士に直してもらう方が、彼にとっては安心できるのだ。


というわけで、飛行時間が必要なCちゃんは、T君と一緒に飛行機でデイトナビーチに戻ることに。 私はただの乗客だから、「ここからエアラインで帰ります〜。」ということになった。 ははは。 飛行機のただ乗りや、割引があるってすごい事だ。 すでに日没の時間だったので、ここで一泊するかと思っていたら、まだユナイテッドさんのテキサス行きの飛行機があって、あと45分で出発すると分かって、どうせ一泊するのならテキサスですれば良い、と決めて、航空会社のジェット機が出発するターミナルまで、燃料を買った所の人に送ってもらったの。 車で15分。はははは。 ギリギリセーフだったよ。 時間的にも空席的にも、ギリギリ。 ちなみに。パイロットとしてジャンプシートするには制服か、ビジネスカジュアルな洋服でないといけなくて、私は小さい飛行機でカリフォルニアに帰ると思っていたので、ジーンズしか持っていなかった。この場合、満席でもコックピットには乗れなくて、ただ乗りではなくて、割引という扱いになる。しかーし、新エアラインパイロットのニノ君はユナイテッド系とデルタ系のフライトを75人乗りの飛行機で乗務するので、それ関係の特典で無料で乗ることが出来た。 イェーイ。ヒューストンからサンフランシスコへの飛行機も満席で、絶対無理と思っていたのに、乗れてすごいびっくりした。 笑




大変な2日間だった。。。。。アメリカ横断は、フロリダを出る前に中止になってしまったけど、アル中のT君のわがままに振り回されたわけではないので、特に嫌悪感はない。 T君は、わがままどころか、私達にすごく良くしてくれた。私としては、わざわざデイトナに行くことで、Cちゃんをサポートする気持ちを示すことが出来たので、それで十分だ。飛行機にはメンテナンスは付き物だし、慣れない飛行機を飛ばなくてよかった安堵感があるというのは否定出来ない。Cちゃんは飛行機をカリフォルニアへ持ってくることは諦めて、フロリダへエアラインで数回、数日間行って、T君の飛行機を飛ばせてもらう、というプランに変えた。


余談。 Cちゃんは、T君の飛行機の故障のため、カリフォルニア行きのフライトをブッキングしなければいけなかったのだが、ちょうど祝日だったので、いつもなら300ドルくらいの片道チケットが、800ドルで、この値段に途方に暮れていたそうだ。 するとT君が1500ドルで、ファーストクラスのチケットを買ってくれた。 よかったね。

週末の予定あり

2018-02-15 | パイロットの日記








2月10日の日記






こんにちは。 三日間のリザーブを終えて、大変だったような、そうでもなかったような。 リザーブは需要に応じてスケジュールが何回も変わるので、それがストレスだった。 普段なら滞在が17時間くらいなのに、ギリギリ合法の10時間にしようとしたり、PMの仕事のはずなのに、翌日は午前6時起きの仕事になったり。電話が来ないと得だと思っていたリザーブ、もうこりごりと言いたいのだが、1日休みでもう四日入れてある。 電話が来ませんように。(結果3日間の仕事が入る)



10年前にエアライン訓練を失敗したCちゃんの再挑戦の件。 私達は一緒に南カリフォルニアでシミュレーターを数回やったわけだが、エアラインの面接をするには最近の飛行時間が必要だ。 今の所彼女は単発の飛行機を1時間飛んだだけ。 恐らく、25時間以上飛ぶ事が大切だろう。 エアラインのリクルーターに、「10年飛ばなかったですが、こういう努力をして来ました。」と自信を持って言えるようにするべきだ。彼女のお友達のT君はビジネスマンで、飛行機を数機持っているお金持ちだ。 大学の頃からビジネスを立ち上げたりする事を怖がらない人で5年ほどで億単位のお金を稼ぐようになった。CちゃんとT君はミシガン州の高校の時からの知り合いなので、今回T君が彼のセスナ310という飛行機を飛ばせてくれる事になっている。エアライン就職希望の人にとって、こんなラッキーな話はないぜ。


ただ一つ問題がある。 T君は、ほぼアルコール中毒症のようにお酒を飲むのだ。 夜、仕事や車の運転が終わると飲み始める。 大量飲んで、プカプカと大量のタバコを吸って、午前2時くらいに寝て、翌日は昼まで起きて来ないというライフスタイルで、お金があっても決して羨ましい生活とは言えない。何か大きい幸せに欠けているのかなと思う。



余談なのだが、昔CとTは恋人同士で、22年前は見ていられないくらいラブラブだった。 大学当時、彼らの家に行ったり、一緒にビーチに行ったりした私は覚えている。しかしその2年後、Cは女性を愛することに目覚めてしまい、T君を傷付けてしまったのだ。 正直言ってしまえば、そこから彼の人生や性格は変わってしまったのだ。その後も幼馴染として友情関係は続いたのだが、やっぱりおかしくなってる、T君。 思いやりのない、自分勝手な金持ちになってしまった。新しいお友達も、彼のお金目当てで集まってくる人が多い。 一緒にいれば高級なレストランでも全部払ってくれるし、週末に彼のボートに乗ってパーティーをすることも出来る。こういう人達は、T君にひどいことを言われたり、T君がお店などで失礼なことをしても、何も言わない。 T君を怒らせたくないから。こんな感じでT君はモンスターになってしまったのだ。 でもお金持ちになる前の彼を知っているCちゃんには優しい面を時々見せてくれている。今回Cちゃんが本当に彼の飛行機を飛ばせてもらえるなら、そんなに大きいヘルプは他にない。




問題はお酒の飲み過ぎとライフスタイルのせいで、あてにならない。 飛行機の免許も全て持っている彼は、飛行機を11月の終わりにカリフォルニアまで持って来てくれるはずだったが、書類の不備などの関係もあり、中止になってしまった。 しかし書類が揃った後も、彼は来なかった。 私は「飛行機が本当にカリフォルニアに現れない限りは、彼の言葉は信じない。」と言ってあった。


飛行機がこっちに来ないなら、Cが出張でフロリダに行く時に10時間くらい飛ぶべきだと話していた。 同じような飛行機をレンタルすると、保険の関係でインストラクターと一緒に飛ばなければいけない可能性があるので、1時間400ドルくらいするのだ。(想像の値段) でもT君の飛行機なら燃料だけ払えばいいので、多分半額くらいになるのだ。フロリダであれ、カリフォルニアであれ、良い機会に変わりはない。



私: T君がカリフォルニアまで飛んで来られないと言うなら、次の週末に私とCがフロリダに行って、一緒にカリフォルニアまで持って来る事も出来るよ。 でもそれならば、今週(出張で行く際)出来るだけ飛んで、飛行機に慣れておいてほしい。



とお願いした。 彼女は10年前にこの飛行機を150時間くらい飛んでいるのだが、その後飛行機を全く飛んでいないので、再度慣れる必要があるのだ。この説明をしたか覚えてないけれど、エアラインパイロットの私が小さい飛行機を飛ぶということはリスクがある。 もし事故が起きた時には、前の席に座っている人の中で、経験の多い人が責任者とみなされるからだ。 そして航空事故のほとんどは、パイロットのミスが原因とされてしまうので、免許を失う可能性があるのだ。それを分かっていても、彼女をヘルプしたい。 彼女の人生が良い方向に変わるわけだから。大丈夫、気をつけるから。



Cちゃんは先週仕事でオーランドーに行って、そのステイを三日ほど伸ばしてT君に会いに行った。飛ぶ予定の日は、金曜日と土曜日。 しかーし!!! T君は相変わらず午後2時まで起きて来ず、その後に昼ご飯を食べて、空を見上げながら「雲があるし、今日はフライトは止めよう。」と言ったのだ。 2日間で10時間。。。。無理だこりゃ。 その上、その夜にCちゃんとT君は大喧嘩をして、T君の家に泊まっていたCちゃんは泣きながら荷物をまとめてホテルに泊まる羽目に。ええーーーぇーー。 なんかすごい事になってしまった。


翌日。 彼は午後2時くらいにモソモソ始めて、2人はなんとか仲直りをした。 そして日没ギリギリの所で1時間半くらい飛ぶことが出来たと。んーーーーー。 ギリギリセーフというか。。。離着陸も7回やったと言うし。。。。今週末行ってくるか。。。。。

Cちゃんは今週カリフォルニアに戻って仕事をしていて、土曜日にエアラインでフロリダに再度向かう。 私はサンフランシスコからフロリダへ。 ← 長いフライトが大嫌いな私。色々心配はあるが、楽しむ努力をしたいと思う。 せっかくだし。二日間に分けて、合計13時間程度の飛行時間。 もちろん燃料やホテルは彼女が払う。 ご飯は割り勘。 だってどこに居たって、食べるでしょ。割り勘で十分。


みなさん、無事に行くことを祈ってくださいませ。 I don’t take it lightly. It’s a serious business.

気にすんな

2018-02-06 | パイロットの日記


この人はすごく良かったそうだ。 以前に一緒だった人。





今日のニノ君はちょっとミスをして機長に冷たくされて、ブルーっぽいです。 誰でもミスはするわけで、それで落ち込んで再度ミスをすると良くないので、気にしないで頑張ることが大事。

冷たくされたということに関しては、こういう浮き沈みのある人はコックピットにもいる。 女性ばかりがホルモンに影響されて機嫌の良し悪しが激しいと言われたりするけど、男性の方がムードが不安定と思うときはある。