まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

矢野絢子アルバム巡り第三幕 『星ヲ抱ク者』

2013-01-04 23:22:14 | ライヴ

矢野絢子のアルバムめぐり第三幕は、メジャー契約終了後に初めて歌小屋でレコーディングした『星ヲ抱ク者』。アルバム巡りでこれまで作っていた、それぞれの曲の一言解説やフライヤーがなかったのは、間に合わなかったのか昔の楽曲すぎて作れなかったのか。その代り、各曲ごとに作った時の状況などをMCで語るスタイル。

OAは田中雅紀、昭和の香りがする熱血系のギター弾き語りですが、いまいち華がありませんでした。

矢野絢子は、嶋崎史香と平井ペタシ陽一のトリオ編成で、最初から飛ばしてきます。『ロボコ』はロボットの女の子のことで、矢野絢子本人がロボットになりたかったと言っていました。『ド―ル』は堀よし子さんの「生き人形」が好きで、「生き人形」というのは、それはそれはリアルな人形らしく、その個展を見に大阪まで行ったとき、本当は逆なのに、自分が死んでいて周りの人形たちが生きているような気持ちになったそう。「病んでましたね」と自ら言い切ったのは、今はしっかりと生きている実感があるからでしょう。

『死刑執行人』はそのものずばりの歌。このアルバムの曲は、昔から歌っていた歌の中で営業的にメジャーの1枚目と2枚目に入れられなかったものを収録した、と語っていました。『ロボコ』は『てろてろ』のカップリングにしたかったらしいけど、あっさりレコード会社に却下されたらしい。

『ライオンフラワー』は、死刑執行人とは逆の立場の死刑囚の歌。歌小屋の控室に住んでいたときに、夜通しピアノが弾き放題で、池マサトとシマフミのライヴがあった日の夜、ステージの壁に飾ってあったライオンフラワーを見ながら作ったとのこと。ライヴハウスの控室に住むなんて病んでますね、とここでも当時は病んでた発言が。

『街灯』お金が無くなると、シマフミと一緒に高知の商店街のアーケードに行き、路上ライヴで投げ銭を稼いでいたころ、アーケードの街灯を見ていて作った歌。シマフミのおかげなのか、バイオリンケースのおかげなのか、シマフミがいるとお金の入りが良かったようで、1万円入ったらすぐにやめてご飯を食べに行ったって。矢野絢子は、人より長生き?するものを歌にすることも多いらしく、歌小屋でもライヴ前にステージ上で横になっていると、天井や壁がどれだけの曲を聴いてきたんだろう、と想像してしまうようです。そういえば『ニーナ』も主人公は椅子だし。

メジャーだった頃は、仕事で東京に来るのが嫌で嫌で、「嘘つかないでよ!」と周りのすべてが敵だと思って心を閉ざしていたそうです。そんな彼女が、どんな年代の人に歌を聴いてもらいたいか?と問われて、年上の人にも聴いてもらいたいが、そのために媚を売るようなことはしたくない、と断言します。『ロクゴ』は、そのまんま65歳から取ったタイトルで、その年代の人に向けた歌。

『サマリアの涙』は、招待された映画祭で韓国映画の『サマリア』を観て作った歌。なんと矢野絢子が『サマリア』を観ていたとは、感動。苦しい映画だと言っていたけれど、確かに楽しい映画ではないなあ。映画を観てどんよりした気分のなかでその後のライヴをしたとのこと。

『約束』NHKの番組でアマゾンのイチジクコバチという蜂のドキュメンタリーに触発されて作った歌。イチジクの花の花粉を運ぶ、という使命がイチジクコバチのDNAに刻み込まれているけれど、人間はどんな約束がDNAに刻まれているんだろう。

『星を抱くモノ』というアルバムタイトルは、歌詞カードの中にある矢野絢子が描いた絵のタイトルで、レコーディングは昔の歌小屋で一発録り。お互いのマイクに音が入りまくりだったけどいい音が録れたと。

『金色の匂い』若かりし頃、ひどい男に恋をしていて、恋敵もたくさんいて、その恋敵に聴かせるために作った歌。シマフミが「ひどい男」というところで苦笑しながらうんうんと頷いていたのが、2人の昔からの関係を物語っているなと。この曲はしっかりとライヴで恋敵の前で歌って、相手はすごすごと帰ったそうです。

『あくむ』と『青い』は池マサトのカバー。『あくむ』は初めて聴いたとき、ついに池マサトが狂った、と思ったそう。『青い』はシマフミとのコーラスがとてもきれいでした。2曲ともほとんど10月の歌小屋ライヴでしか歌わないらしい。

最後は『鳥人間の歌』学校を遊び場と思って通っていた矢野絢子が、青春ソングを作ろうと思って作った曲。「起立、礼!」から始まるのは、学校だったからなんですね。

自ら「血みどろのアルバム」と紹介したアルバム巡りは無事終わったけれど、12曲じゃ歌い足りないからアンコールを長めにやるよ、と5曲も歌います。来年の2月から、また小淵沢のスタジオで新アルバムのレコーディングをする予定で、それに入れたいとこの11月に作った『Birth』。レコーディングはシマフミとペタシに加えて、ブルームーンカルテットも参加するということで、楽しみです。その他、来年は「Dear」という歌小屋の箱バンドを結成して、面子は歌小屋の人、曲はカバーしかせずにクオリティは高く、オリジナルを意気消沈させると息巻いています。カバーも美空ひばりやオールディーズなど多彩なものらしいけど、歌小屋に行くのは難しいなあ。

<セットリスト>
1.ロボコ
2.ドール
3.死刑執行人
4.ライオンフラワー
5.街灯
6.ロクゴ
7.サマリアの涙
8.約束
9.金色の匂い
10.あくむ
11.青い
12.鳥人間の歌
Enc
1.氷の世界(井上陽水カバー)
2.ブーツ
3.Birth
4.かなしみと呼ばれる人生の優しさよ
5.まっすぐブルース

11/30 碑文谷アピア40
クリックで救える命がある。イーココロ!クリック募金投資信託

ジェット・リー&ツイ・ハーク 『ドラゴンゲート龍門飛甲』 絶賛公開中!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿