MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

星と音楽 (5) 「月の光」

2008-10-17 06:11:23 | 星と音楽・科学一般
10/17

 歌曲『月の光』ドビュッシー
     
    (1862/8/22~1918/3/25、フランス)
 歌曲『月の光』フォーレ
     
     (1845/5/12~1924/11/4、フランス)


 え~っ! 月の光って、こんなにたくさんあるの??
 でも決して太陽系外惑星系での話ではない。 すべて19世紀のフランスで生まれた月。 地球にもたくさん月があった。

 ピアノ曲『月の光』 (~『ベルガマスク』組曲) の作者は、また同じ名の歌曲も過去に作っていた。 但し音楽的には、まったく別の曲。 出典だけはともに同じだ。 やはりヴェルレーヌの同じ詩に基づいていて、その詩集全体の名が、『艶(あで)なる宴(うたげ)』。

 そして、ドビュッシーが歌曲『月の光』を作り始めた時期は、ピアノ曲(28歳の年)より前のこと。 手掛けられたのは20歳の年で、意中の既婚女性(!)に捧げられている。

 おまけにこの同じ詩には、かのフォーレも歌曲を作っている。 つまり『月の光』という名の曲が、少なくとも三つあることになる。

 この先は余談なので、頭を素通りさせてほしい。

 このフォーレには『マスクとベルガマスク』という名の曲まである (舞台作品、組曲)。 そう、この詩集『艶なる宴』の中には、『マスク(仮面)』という詩も収められているので、そう名付けたのだろう。 『仮面』という歌曲は、ドビュッシーが実際に作っている。

 ここまで全部一度に頭に入れば、あなたは天才です!!

 最後の『マスクとベルガマスク』はさておき、『月の光』は三曲ともすべて同じ詩に基づいて作られている。 詩の内容は下記のサイトでご覧いただける(邦訳)。

 中で流れている曲はフォーレの歌曲『月の光』だが、残念ながらピアノのみの音で歌声は無い。 またドビュッシーの歌曲の方も、音源は用意できなかった。 お詫びします。

    [フォーレの歌曲『月の光』 (MIDI音源、邦訳歌詞、解説付きサイト)]
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 え~と、以上を全部纏めてみると、まず有名なピアノ曲『月の光』。 詩の中の言葉を流用して『ベルガマスク』と名付けられた組曲の中にある。

 その他に、音楽的には全然関係のない、歌曲『月の光』が二つもあるんだね。 うち一つはフォーレの作で、おまけに彼は『マスクとベルガマスク』、なんてのまで作った。 それにドビュッシーの歌曲『仮面(マスク)』…!

 ウ~、やっぱりこんがらがってきたぞ…。 いっそのこと、
"防毒マスク" なんて曲は無いのかな、ワン。

 しかし、ドビュッシーもいけないよね。 こんな綺麗なピアノ曲集に ”ベルガマスク” なんて名前、付けちゃってさ…。

 だって、漢字で書いたら一体どうなると思う? いい?

 "屁流香仮面" 苦味曲だよ…?
ほ~ら、やっぱり、防毒マスクが必要だ。

 それよりね、昨日から、もっと気になってることがあるんだ…。
それはね、行くよ、それ!

 「♪ "月光仮面" は、誰でしょう~ ♪」

 [二番以下も聴きたい方はこちら

 [LP音声のみです~二番以下もあり

 [ドラマはこちら~祝十郎と五郎八ファンへ

 [こちらもドラマ~10分以上かかりますが…

 (続く)