注目の永田謝罪会見は予定調和的で、あまり見るべきものはなかった。
彼の粗忽さについてはもはや言い尽くされた観があるので、ちょっと視点を変えて民主党の凋落を考察してみたい。
26日(日)のTV朝日「サンデープロジェクト」に出演した前原代表は、田原総一郎の質問に対して、能面のような顔で(目もイッちゃってましたが)
「報告は伺っております」
を連呼したうえに、
「国会が空転しているとは思っていません」
と重ねて、見る者を戦慄させた。
この日、録画放送だが関西ローカルの「たかじんのそこまで言って委員会」にゲストで出た同党の原口一博代議士の発言も、負けず劣らずネットで話題になっていたようだ。時事ブログ「グースの勿忘草」にまとめられているが、
1.恐ろしい闇の組織が今回の件に関わっている
2. 二日前に同盟国(アメリカ)も知っていた
3.国会内も盗聴されているかもしれない
4.原口の質問内容も二日前にハッキングされパソコンのデーターを消された。
5.日本政府も逆らえない陰謀が企てられている
このシリアスな時期に、番組を面白くするためにギャグをかましたとも思えないし、言っている本人は大真面目だったという。
うーん、かなり怖いですね。
原口は以前も、ホリエモンの親衛隊が選挙戦で黒いTシャツを着ていた(「改革」という白抜きが入ったやつですね)ことを捉えて、「闇の組織とつながっている」と示唆して、それらのトンデモ発言が各方面で心配されていたようだ。
私が注目したのは、恐怖!猫屋敷さんが拾ってくださっている巨大掲示板の書き込みである。
189 名前:名無しさん@6周年[sage] 投稿日:2006/02/26(日) 15:29:04 ID:0M++dwLK0
>>171
原口さんに送る言葉
『陰謀論』は統合失調症(分裂病)の、初期のもっとも顕著な症状だと言われている。
統合失調症は、個人の症状として現れるのみではなく、
現実への掌握を喪った組織が、集団的に罹患する例もしばしばみられる。
私はこのブログでも度々、人間の狂気についてのテーマでエントリーを書いてきた。塾講師女児殺害事件や先の滋賀園児殺人事件、そして当代きってのメンヘル小説家である奥田英朗を3回にわたって取り上げてきた私が、最近読んでいた本がある。ちくま新書の『統合失調症-精神分裂病を解く』である。
著者の森山公夫氏は、東大の精神神経科の講師を経て、現職は陽和病院の院長だが、長年にわたる精神医学の研究で著書も多数、臨床経験も豊富という方である。
同書は「統合失調症(精神分裂症)」研究において、「迫害妄想」というのが大きな鍵を握っているとして、これを中心テーマに据えている。
「迫害妄想」とは「組織に狙われ、監視され、迫害される」と思い込むことであり、統合失調症の患者一般に認められる重大な症状で、統計学的には古今東西、同病の7~8割を占めているそうである。
患者にとって、はじめは身近な所に出現した「組織」が徐々に秘密組織へと拡大していく。要するに、患者に向けられる迫害は、最初は上司やライバル(自民党)など直接的世間を代表する身近な権威者であったものが、症状が進むほどに、だんだん大きくなって、より広い社会的存在(国家、米CIAなど)となり、やがては「神」が出現し、果ては「全宇宙」が対象になってくるのだという。原口一博の場合、普段の言動を見るに、まだ幻声や幻覚に悩まされるところまでは行っていないようなので、一種のパラノイアかもしれない。
精神学者クレペリンは
「パラノイアとは内的原因から発生し、思考、意志及び行動の秩序と明晰さが、完全に保たれたまま、徐々に発展する持続的で揺るぎない妄想体系である」と定義づけている。
民主党屈指の若手のホープとして多数のメディアにも露出し、弁舌さわやかな論客の誉れ高かった原口一博が、何故壊れかけているのだろうか?
私はそのきっかけが、昨年の衆議院選挙にあったとみている。
ここで、民主党の中堅有望株と云われていた何人かの著名な政治家たちの、05年衆院選結果を分析してみたが、なかなか興味深いものがある。
2005年9月11日投票の第44回衆院選開票結果
【京都2区】
前原誠司 73,795(当選)
山本朋広 69,330(比例当選)
【千葉4区】
野田佳彦 129,834(当選)
藤田幹雄 128,890(比例当選)
【埼玉5区】
枝野幸男 103,014(当選)
牧原秀樹 91,472(比例当選)
【千葉2区】
山中あき子 124,261(当選)
永田寿康 112,943(比例当選)
【愛知1区】
河村たかし 105,499(当選)
篠田陽介 82,486(比例当選)
【愛知2区】
古川元久 116,884(当選)
岡田裕二 87,804
【佐賀1区】
福岡武麿 84,643(当選)
原口一博 75,449(比例当選)
これら知名度の高い民主党中堅代議士(3~5回生)のうち、ライバルの自民候補者の比例復活当選を許さずに圧勝したのは、愛知2区の古川ただ一人であった。
「選挙に強い」というバックボーンで売り出してきた前原、野田、枝野は揃って自民候補者に食い下がられ、辛くも逃げ切っている。特に野田は鉄板といわれていながらも944票差という薄氷を踏むような辛勝だった。本来「大物」は当該選挙区においては、他の追随を許さず、対立候補を叩き落とさなければならない役目を負っている。ましてや、比例復活当選は半人前という風潮があり、事実自民党の比例当選した新人議員の集まりで、武部幹事長は「小選挙区で勝ってこそ一人前!」と檄を飛ばしたそうである。ただ、死屍累々の民主党にあって、何はともあれ勝ち抜いた彼らの地位は相対的に沈下せず、何人かが党の要職に就くこととなった。
小選挙区で一敗地にまみれたのは頻繁にTV出演し、国会質問の機会も多かった永田と原口。最も深刻だったのは原口で惜敗率では永田を下回る完敗だった。ただ、永田の相手は60歳の元職女性だったが、原口の対抗馬は調べてみるとなかなかのタマのようである。枝野のコンペチター牧原秀樹のように、既に耐震偽装問題で質問にも立ち、83会でも中心人物と目されるほどは、まだ名前が売れてはいないが、この佐賀1区の勝者である福岡資麿は結構良さそげである。
佐賀県の名門佐賀西高の生徒会長を務めたことだけは、原口と共通しているものの、この福岡資麿という男、東大文科Ⅲ類から文学部心理学科に進み、松下政経塾在学中に県議に当選したような「政治オタクの純粋培養」原口とは、かなり芸風が違う。
高校時代は剣道でインターハイ3位、弁論部でも「佐賀の未来を考える」で九州弁論大会で最優秀賞を受賞。慶応大学法学部政治学科に進んだ後も、剣道部では全日本ベスト8(団体)、4年次には副将も務めている。うーん、文武両道の鑑である。卒業後は三菱地所に入社して、開発や住宅販売もこなし、広報マンとしてあの丸ビルのオープンも手がけたという。サラリーマン生活は8年余で、支店勤務の経験もある。03年の総選挙に地元から初出馬するも原口に敗れて落選するが、浪人中からブログで情報発信なぞしているのが渋いね。
原口は大都市圏に強い民主党の中で、これまで田舎の小選挙区で勝ち抜いてきたのだから、それはそれで立派なものだったが、逆に「風」に影響されやすい都市部と違い、佐賀という地方で盤石な地盤を固めて、前途洋々と思っていたのは想像に難くない。しかし、年齢を感じさせない風貌で、これまでは「若手」の爽やかな論客として中央で売り出し中の彼の前に立ちはだかったのが、お株を奪うかのような本物の「若手」好青年。俳優の妻夫木聡似のイケメンで32歳、しかもそれが地元出身の逸材ときていて、祖父が元参院議員という毛並みの良さも併せもっている。実社会でもまれた経験があるのも有権者には親しみやすい。
この先、現行の小選挙区制が維持されるとすれば、原口は向こう20年以上、選挙は相当に苦戦を強いられることが昨夏の戦いで身にしみてわかったのではないだろうか。
奥田英朗の直木賞受賞作『空中ブランコ』に収録の「ホットコーナー」では、ベテランのスターである野球選手が、同じサードのポジションにイケメンの大物有望ルーキーが鳴り物入りで入団してきたために、精神のバランスを崩してボールが投げられなり、ドクター伊良部の門を叩くというストーリーだったが、原口だけでなく、精神の平衡を欠いていると思われる民主党議員は少なくない。
さらにもっといえば、前述の面々も含めて、民主党の中堅議員の多くは潜在的には与党に入りたい人たちなんだと思う。今となっては自民党に移籍することは、現実には難しくても、政界再編であっち側に行きたい人は確実にいるだろう。民主党議員は初出馬は日本新党であったり、新進党であったり、さきがけであったりするのだが、それは心ならずもであって、要はつい最近まで自民党には空いている椅子がなかったわけである。国会議員になりたくても、自民党は現職が子弟に世襲させるか、有力県議がウエーティングサークルに陣取っていて、入り込む隙間が無かった。
しかし2年前に安倍幹事長の肝煎りで、自民党の選挙違反失職という劣勢の所沢(埼玉8区)の補選で、初めて公募プロジェクトで選んだ38歳の弁護士柴山昌彦の逆転勝利を萌芽として、それが昨年の小泉刺客旋風で大きく花開いた。実に83人もの新人議員が誕生する歴史的選挙となったのである。
政権交代は目前と思いこんでいた民主党議員は、大きく勢力を減らして少数野党に転落した自分の党と、向こう岸にいる新人議員たちを議場でしみじみ見比べたのではないだろうか。嗚呼、自分が望んでも得られなかった椅子に彼らが座っている・・・・。
ここで、特に若手の右派-自民党とさして立ち位置が変わらない議員達は、自らの矛盾する感情に引き裂かれ、言いようのない焦燥感にさいなまれてしまっているのではないだろうか?
「自分はなぜここにいるのだ」「自分はこれからどうなってしまうのか」
実はそれが最も顕著なのは、他でもない党首の前原誠司であるから、あの党はこれほどまでに迷走しているのではないだろうかと思う次第である。
永田君は幸いにも議員辞職を免れたのだから、この際自分をとことん見つめ直せばいい。原口君もTV出演など即刻止めて、通院して治療すべきだろう。
彼の粗忽さについてはもはや言い尽くされた観があるので、ちょっと視点を変えて民主党の凋落を考察してみたい。
26日(日)のTV朝日「サンデープロジェクト」に出演した前原代表は、田原総一郎の質問に対して、能面のような顔で(目もイッちゃってましたが)
「報告は伺っております」
を連呼したうえに、
「国会が空転しているとは思っていません」
と重ねて、見る者を戦慄させた。
この日、録画放送だが関西ローカルの「たかじんのそこまで言って委員会」にゲストで出た同党の原口一博代議士の発言も、負けず劣らずネットで話題になっていたようだ。時事ブログ「グースの勿忘草」にまとめられているが、
1.恐ろしい闇の組織が今回の件に関わっている
2. 二日前に同盟国(アメリカ)も知っていた
3.国会内も盗聴されているかもしれない
4.原口の質問内容も二日前にハッキングされパソコンのデーターを消された。
5.日本政府も逆らえない陰謀が企てられている
このシリアスな時期に、番組を面白くするためにギャグをかましたとも思えないし、言っている本人は大真面目だったという。
うーん、かなり怖いですね。
原口は以前も、ホリエモンの親衛隊が選挙戦で黒いTシャツを着ていた(「改革」という白抜きが入ったやつですね)ことを捉えて、「闇の組織とつながっている」と示唆して、それらのトンデモ発言が各方面で心配されていたようだ。
私が注目したのは、恐怖!猫屋敷さんが拾ってくださっている巨大掲示板の書き込みである。
189 名前:名無しさん@6周年[sage] 投稿日:2006/02/26(日) 15:29:04 ID:0M++dwLK0
>>171
原口さんに送る言葉
『陰謀論』は統合失調症(分裂病)の、初期のもっとも顕著な症状だと言われている。
統合失調症は、個人の症状として現れるのみではなく、
現実への掌握を喪った組織が、集団的に罹患する例もしばしばみられる。
私はこのブログでも度々、人間の狂気についてのテーマでエントリーを書いてきた。塾講師女児殺害事件や先の滋賀園児殺人事件、そして当代きってのメンヘル小説家である奥田英朗を3回にわたって取り上げてきた私が、最近読んでいた本がある。ちくま新書の『統合失調症-精神分裂病を解く』である。
著者の森山公夫氏は、東大の精神神経科の講師を経て、現職は陽和病院の院長だが、長年にわたる精神医学の研究で著書も多数、臨床経験も豊富という方である。
同書は「統合失調症(精神分裂症)」研究において、「迫害妄想」というのが大きな鍵を握っているとして、これを中心テーマに据えている。
「迫害妄想」とは「組織に狙われ、監視され、迫害される」と思い込むことであり、統合失調症の患者一般に認められる重大な症状で、統計学的には古今東西、同病の7~8割を占めているそうである。
患者にとって、はじめは身近な所に出現した「組織」が徐々に秘密組織へと拡大していく。要するに、患者に向けられる迫害は、最初は上司やライバル(自民党)など直接的世間を代表する身近な権威者であったものが、症状が進むほどに、だんだん大きくなって、より広い社会的存在(国家、米CIAなど)となり、やがては「神」が出現し、果ては「全宇宙」が対象になってくるのだという。原口一博の場合、普段の言動を見るに、まだ幻声や幻覚に悩まされるところまでは行っていないようなので、一種のパラノイアかもしれない。
精神学者クレペリンは
「パラノイアとは内的原因から発生し、思考、意志及び行動の秩序と明晰さが、完全に保たれたまま、徐々に発展する持続的で揺るぎない妄想体系である」と定義づけている。
民主党屈指の若手のホープとして多数のメディアにも露出し、弁舌さわやかな論客の誉れ高かった原口一博が、何故壊れかけているのだろうか?
私はそのきっかけが、昨年の衆議院選挙にあったとみている。
ここで、民主党の中堅有望株と云われていた何人かの著名な政治家たちの、05年衆院選結果を分析してみたが、なかなか興味深いものがある。
2005年9月11日投票の第44回衆院選開票結果
【京都2区】
前原誠司 73,795(当選)
山本朋広 69,330(比例当選)
【千葉4区】
野田佳彦 129,834(当選)
藤田幹雄 128,890(比例当選)
【埼玉5区】
枝野幸男 103,014(当選)
牧原秀樹 91,472(比例当選)
【千葉2区】
山中あき子 124,261(当選)
永田寿康 112,943(比例当選)
【愛知1区】
河村たかし 105,499(当選)
篠田陽介 82,486(比例当選)
【愛知2区】
古川元久 116,884(当選)
岡田裕二 87,804
【佐賀1区】
福岡武麿 84,643(当選)
原口一博 75,449(比例当選)
これら知名度の高い民主党中堅代議士(3~5回生)のうち、ライバルの自民候補者の比例復活当選を許さずに圧勝したのは、愛知2区の古川ただ一人であった。
「選挙に強い」というバックボーンで売り出してきた前原、野田、枝野は揃って自民候補者に食い下がられ、辛くも逃げ切っている。特に野田は鉄板といわれていながらも944票差という薄氷を踏むような辛勝だった。本来「大物」は当該選挙区においては、他の追随を許さず、対立候補を叩き落とさなければならない役目を負っている。ましてや、比例復活当選は半人前という風潮があり、事実自民党の比例当選した新人議員の集まりで、武部幹事長は「小選挙区で勝ってこそ一人前!」と檄を飛ばしたそうである。ただ、死屍累々の民主党にあって、何はともあれ勝ち抜いた彼らの地位は相対的に沈下せず、何人かが党の要職に就くこととなった。
小選挙区で一敗地にまみれたのは頻繁にTV出演し、国会質問の機会も多かった永田と原口。最も深刻だったのは原口で惜敗率では永田を下回る完敗だった。ただ、永田の相手は60歳の元職女性だったが、原口の対抗馬は調べてみるとなかなかのタマのようである。枝野のコンペチター牧原秀樹のように、既に耐震偽装問題で質問にも立ち、83会でも中心人物と目されるほどは、まだ名前が売れてはいないが、この佐賀1区の勝者である福岡資麿は結構良さそげである。
佐賀県の名門佐賀西高の生徒会長を務めたことだけは、原口と共通しているものの、この福岡資麿という男、東大文科Ⅲ類から文学部心理学科に進み、松下政経塾在学中に県議に当選したような「政治オタクの純粋培養」原口とは、かなり芸風が違う。
高校時代は剣道でインターハイ3位、弁論部でも「佐賀の未来を考える」で九州弁論大会で最優秀賞を受賞。慶応大学法学部政治学科に進んだ後も、剣道部では全日本ベスト8(団体)、4年次には副将も務めている。うーん、文武両道の鑑である。卒業後は三菱地所に入社して、開発や住宅販売もこなし、広報マンとしてあの丸ビルのオープンも手がけたという。サラリーマン生活は8年余で、支店勤務の経験もある。03年の総選挙に地元から初出馬するも原口に敗れて落選するが、浪人中からブログで情報発信なぞしているのが渋いね。
原口は大都市圏に強い民主党の中で、これまで田舎の小選挙区で勝ち抜いてきたのだから、それはそれで立派なものだったが、逆に「風」に影響されやすい都市部と違い、佐賀という地方で盤石な地盤を固めて、前途洋々と思っていたのは想像に難くない。しかし、年齢を感じさせない風貌で、これまでは「若手」の爽やかな論客として中央で売り出し中の彼の前に立ちはだかったのが、お株を奪うかのような本物の「若手」好青年。俳優の妻夫木聡似のイケメンで32歳、しかもそれが地元出身の逸材ときていて、祖父が元参院議員という毛並みの良さも併せもっている。実社会でもまれた経験があるのも有権者には親しみやすい。
この先、現行の小選挙区制が維持されるとすれば、原口は向こう20年以上、選挙は相当に苦戦を強いられることが昨夏の戦いで身にしみてわかったのではないだろうか。
奥田英朗の直木賞受賞作『空中ブランコ』に収録の「ホットコーナー」では、ベテランのスターである野球選手が、同じサードのポジションにイケメンの大物有望ルーキーが鳴り物入りで入団してきたために、精神のバランスを崩してボールが投げられなり、ドクター伊良部の門を叩くというストーリーだったが、原口だけでなく、精神の平衡を欠いていると思われる民主党議員は少なくない。
さらにもっといえば、前述の面々も含めて、民主党の中堅議員の多くは潜在的には与党に入りたい人たちなんだと思う。今となっては自民党に移籍することは、現実には難しくても、政界再編であっち側に行きたい人は確実にいるだろう。民主党議員は初出馬は日本新党であったり、新進党であったり、さきがけであったりするのだが、それは心ならずもであって、要はつい最近まで自民党には空いている椅子がなかったわけである。国会議員になりたくても、自民党は現職が子弟に世襲させるか、有力県議がウエーティングサークルに陣取っていて、入り込む隙間が無かった。
しかし2年前に安倍幹事長の肝煎りで、自民党の選挙違反失職という劣勢の所沢(埼玉8区)の補選で、初めて公募プロジェクトで選んだ38歳の弁護士柴山昌彦の逆転勝利を萌芽として、それが昨年の小泉刺客旋風で大きく花開いた。実に83人もの新人議員が誕生する歴史的選挙となったのである。
政権交代は目前と思いこんでいた民主党議員は、大きく勢力を減らして少数野党に転落した自分の党と、向こう岸にいる新人議員たちを議場でしみじみ見比べたのではないだろうか。嗚呼、自分が望んでも得られなかった椅子に彼らが座っている・・・・。
ここで、特に若手の右派-自民党とさして立ち位置が変わらない議員達は、自らの矛盾する感情に引き裂かれ、言いようのない焦燥感にさいなまれてしまっているのではないだろうか?
「自分はなぜここにいるのだ」「自分はこれからどうなってしまうのか」
実はそれが最も顕著なのは、他でもない党首の前原誠司であるから、あの党はこれほどまでに迷走しているのではないだろうかと思う次第である。
永田君は幸いにも議員辞職を免れたのだから、この際自分をとことん見つめ直せばいい。原口君もTV出演など即刻止めて、通院して治療すべきだろう。
この世界は実力と運の組み合わせがかなりうまくいかないと生き残っていけません。
だからこそ、心を強く持たないとダメなのでしょうね。
非常に私自身のためになる分析でした。
>takeyanさんのような社会経験豊富で優秀な政治家が、国会にも増えてくればいいのですが・・・。
自民党から出たくても出れなかった議員たくさんいますからネ
でも、失礼ながら事を冷静に分析するのならいいのですが、今民主党をぶっ叩いても意味ないかと思います、相手をぶっ叩くのは好調で偉そうにしているときではないかと思いますが、如何お考えですか?
大西さんのお奨めブログの音次郎さんらしくないかと存じます
尚、佐賀1区は佐賀市ですから佐賀県唯一の都会^^であります
たしかに水に落ちた犬を、3回のエントリーに渡って叩くのもくどいなあと自分でも思っていました。民主党のミスはともかくとして、政治全体が「?」の状況下で、マルセルさんの「時事を考える」の冷静でフェアな視点が少数派になっているのは、世に集団ヒステリーの傾向が出て来ているかもしれません。