ハイリーセンシティブチャイルドについて、
書きたいことがたくさんあるんですが、
少しずつまとめていきます。
今日は、Psychology Todayの'Sense and Sensitivity'を参考に。
「ハイリーセンシティブパーソン」という言葉を考案した心理学者エレイン・アーロン氏は、自らの「繊細さ」を、明確に表したコンセプトが存在しないという気づきから、探究を始めたといいます。
化学的医学的に身体的な繊細さには言及されることがあるものの、彼女自身が感じるような「鋭く感情的な繊細さ」を描き出す研究がないと。
そこで研究を進める内に、タフツ大学の精神科医アーネスト・ハートマン(Ernest Hartmann)氏の「夢の研究」に行き当たったといいます。
性格やその人が世界を体験する方法として、「境界」というコンセプトを定義しようとしていたハートマン氏。ハートマン氏は、「人生は、過去と現在、あなたと私、主体と客体といった『境界』によって作られている。そして人によって境界を具体化し捉える方法は異なる」としています。
「『薄い境界』を持つ人々は、意識の内容を明確に引き離すことをしない、そのため、日常の現実生活に、白昼夢のファンタジーの生活が入り込むことがある。『薄い境界』を持つ人々とは、まるで穴だらけの殻を持っているかのように、周りの環境をより浸透させ取り入れてしまう、それは夢にまで入り込む」と。
この「薄い境界を持つ人々」というコンセプトは、アーロン氏の「ハイリーセンシティブパーソン」研究に大きな影響を与えているようですが、もう本当に、子供達や私自身の子供時代を振り返っても、とても分かりやすいイメージです。夢についても、子供達も私もかなり詳細に覚えていることがよくあります。
幼い子ほど、ハイリーセンシティブチャイルドの傾向が強く見えることが多いのも、一般的な発達段階としても、小さな子ほど、過去や現在、あなたや私といった「境界」がはっきりしていないということも拍車をかけているのでしょうね。発達心理学でも、「あなたや私」といった「境界」が芽生え始めるのは、2歳前後といわれています。
アーロン氏はその著書「Highly Sensitive Child(HSC)」の中で、HSCには、より「境界」について教えていく必要があるとしています。細部にわたりあらゆる情報を取り込み、溺れ押しつぶされてしまいがちなHSCには、「取り込むこと、取り込まないこと」を見分ける習慣をつけるよう、より助けていく必要があると。
上の子供達4人がお世話になった一年生の担任H先生の言葉を、
子供達と今も話すことがあるのですが、
「境界」について、子供にも分かりやすく伝わります。
H先生の娘さんがある日、
クラスの子に「ばーか」と言われたと
泣きべそをかいていたそうです。
H先生: それで、あなたは自分のことバカだと思う?
娘さん: (首を振ります)
H先生: だったら、それはもうあなたの問題ではなく、
それを言ったその子の問題なのよ。
何を受け取るのか受け取らないのかは、
あなたが選択できるのよ。
全てを受け取る必要はないんですよね。
必要のないものは、するすると流していく。
「薄い境界」を持つ子供達、そして大人が、
自らの性向を自覚し、工夫することで、
健やかに暮らしていけますように!