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「敏感っ子にとって完璧な学校とは?」世界中の親御さんが描く理想

2017年05月31日 | ハイリーセンシティブチャイルド

「学校って、

多くのハイリー・センシティブ・チャイルドにとって

議論されるべき問題なんですよね。

伝統的な学校はしばしば、敏感な子のニーズに合ってないんです」

 

「ハイリー・センシティブ」な息子さんを育てつつ、

『Happy Sensitive Kids(ハッピーな敏感っ子)』

というブログを運営するオランダに住むイギリス出身のAmanda van Mulligenさんの言葉です。

 

これは、

多くの敏感な子、そして親御さんが感じていることだと思います。

かつて敏感っ子で不登校気味だった私自身も、確かに、と思います。

 

そこでMulligenさんは、

「敏感な子にとってパーフェクトな学校ってどんなところでしょう?」と、

敏感な子を持つ家庭に聞いてまわり、記事にまとめています。

 

今日は、

敏感っ子を育てる世界中の親御さん達が描く「パーフェクトな学校」とは?

について紹介します。

 

理想の先生

・声を荒げず、生徒に叫ばず、

間違った行為について犯罪者探しのためクラス全般を非難しない。

 

・穏やかにクラスに向き合う先生

 

・敏感であることはOKだと知っている先生

 

・先生自身も敏感であるか、

少なくとも「ひといちばい敏感」であることが、

子どもの学校生活にどういう意味を持つのかを理解している。

 

・1クラスに2人の先生

 

・全ての先生がマインドフルネスについて知っている

 

・誰が敏感な子かがわかり、早いうちから見出せる。

 

・異なる個性を持った子ども達を扱うトレーニングを受けている。

 

・子どもの健やかさや学びのために、発達心理学について理解し、

それをどのように実践に生かすかを理解している。

 

 

生徒が個人として扱われる

「一斉に子どもに同じことをさせる」のではなく、以下のような姿勢が理想とのこと:

 

・違うやり方をする子どもに注意を払うため、

先生が喜んで余分な時間を費やせる。

 

・何に感動し、何に喜ぶのか、

その子の興味について話し合い、その子を理解するといった、

先生と生徒がコネクトする時間がある。

 

・子ども自身が、群れの中の一人としてだけでなく、

観てもらえ、聞いてもらえ、認めてもらえていると感じられる。

 

・どうしたら助けになるのか、何を望んでいるのか、

何が学ぶことの妨げになっているかについて、

定期的に先生と話し合いの場がある。

 

・生徒が必要なだけ親は一緒にいてやれる。

 

 

クラス構成

オランダでは、平均一クラス30-35人なんだそうです。

よりよいのは、より小さなサイズのクラスでしょうとのこと。

また、教室のどこに座るかも敏感な子にとっては大きいといいます。

 

・18-22人クラス

 

・席が替わるときは、事前に知らされる。

 

・賑やかでルールを頻繁に破るような子の隣に

敏感な子が座ることのインパクトが完全に理解されること。

 

 

静かな時間とスペースの確保

敏感な子は、たくさんのダウンタイムが必要。

ほとんどの学校が、スペースが限られているなどの理由で、

静かな時間やスペースを供給することができません。

 

・うるさくする必要のあるグループから抜け、

音をシャットダウンできる自由がある。

 

・箱だったり小屋だったり登り込める球形の椅子だったり、

スライドドアのついたガラスの部屋だったりと、

視覚的刺激も少く、学び、活動できる場所などがある。

 

・全て、もしくは多くの部屋に

「騒音を減らす工夫(Acoustic dampening)」がある。

 

・ノイズを打ち消すヘッドセットが置かれたテーブルなど、

落ち着ける場がある。

 

・読書コーナーなど快適な場がある。

 

・大きなビーンズバッグチェアが置かれていたりと、

温かくて心地よくひとりになれる静かな場所がある。

 

・常にグループの一員である必要がない。

 

・子どものニーズによって充電する時間を許す。

 

 

学習と活動

・「セルフ・コンパッション」と落ち着くスキルを学ぶ。

 (セルフ・コンパッションについて書いてきた記事:http://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/a1ea4bd0f4dc0c6aae604253aee0f1e2

 

・感情を否定しない。

 

・活動によっては耐えられないと感じる子がいると理解される。

 

・子ども主導の質問に基づいた学習。

 

・学習環境を最大限活用するため、まずは健やかさがフォーカスされる。

 

・先生の話を聞きながら落書きができるなど、

より柔軟性のあるクラス。

そうすることで心配や不安が和らぎ、フォーカスできる子もいる。

 

・遊びがたくさんある。

 

・一貫した一日のスケジュールがあり、

一日の初めにあらかじめ確認できる。

 

・スケジュールへの変化をあらかじめ知らされる。

 

・特にテストにおいて、知性とスピードは一緒でないと理解される。

 

・スコアへのフォーカスがより少なく、ダウンタイムがより多い。

 

 

学校環境

・そこらじゅう明るく白くない心地よい環境。

 

・飾りや、未完成のプロジェクトや用具などを置く場所が最小限。

 

・静かで、整頓された教室環境。

 

・森林地帯の隣にあり、子どもは時々何時間か森で過ごせる。

 

・施設よりも家に近い雰囲気。

 

・忙しくなくストレスフルでない環境。

 

・ペットがいる。

 

 

学校で過ごす時間

・必要なら半日でもいい。時間割が柔軟。

 

・学校とホームスクールが合わさった形。

 

 

休憩時間

・ 充電して静かな場所へと逃避できる機会がないなら、

ランチタイムと休憩時間は敏感な子にとって悪夢な場合もあると理解される。

 

・校庭で恐がっていたり刺激過多になっている生徒に、

教室に入って読書したり、描いたり、休む自由を与える。

 

・特にランチの時間に、静かで、一人の時間がある。

 

・尋ねることなくトイレへいける。

 

 

実際に親御さんたちの学校でみられるHSCに優しい試み

・悲しい時や心配な時に話ができるカウンセラーがいる。

 

・気持ちや思いなどを先生と話し合う、コーチングセッションが定期的にある。

 

・学校に犬がいる。本を読んであげたり、悲しいときは一緒にいてもいい。

 

・床に寝ころがったりクッションに座って休憩時間の後、

照明を落として、先生が本を読んでくれる。

20-30分、一人で読書する時間がある。

 

 

 

なるほどなあと思いますね。

 

とにかく、来る日も来る日も毎日ずっと

「繊細でない環境」にさらされることがきついんですよね。

 

刺激過多にならない穏やかな場で、

ゆったり充電できる「ダウンタイム」がしっかりと与えられること。

 

そうあることで、

「快適な完璧の世界」に引きこもってしまうのではなく、

「繊細でない不完全な世界」へと羽ばたく力も、

培われるのかもしれません。

 

「繊細でない世界から守る」と

「繊細でない世界へさらす」の間で、

その子のその時点でのニーズを見出し、

バランスをとっていきたいですね。

 

 

ちなみに、Mulligenさんもおっしゃるように、

「先生は、ますます限られた予算や時間のなかで、

ますます多くのことが求められる」状況ですから、

こうしたことは、先生1人がどうこうできるわけじゃないですよね。

 

それでも、今回こうしてまとめてみて、

私自身も、教室で教える身として、

こうした敏感な子のニーズを心に留め、

できる限りのことをしていきたいなと思っています。

 

周りの大人が落ち着いてゆったりしていること。

マインドフルであること。

(←思考・感情・感覚に、気づいていること、ジャッジせず)

これだけでも、特に敏感な子達って、

教室でも家庭でも、随分と違ってくる、そう感じています。

 

また、より柔軟性のあるカリキュラムや環境を可能とする

「プログレッシブ教育」は、

やはり敏感な子にとっても理想だなあと思いますね。

 

「伝統的学校」と「プログレッシブ教育」についても、

現場で様々感じることがあります。

内部事情を詳しくは書けませんが、

できる範囲で、またまとめたいです!

 

こつこつと、できることを!

それでは、みなさん今日もよい日を!


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