マイコー雑記

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冒険心溢れるハイリーセンシティブタイプの問題点、自分を知る大切さ

2016年05月05日 | ハイリーセンシティブチャイルド

HSPやHSCの「多様性」について、

心理学者のエレイン・アーロン氏は、

人の脳に備わる以下の2つの機能を用いて説明しています。

 

1.「一時停止チェック(pause-to -check)システム」

2.「どんどんいけいけ(go-for -it)システム」

 

1の「一時停止チェックシステム」というのは、

置かれた状況と、それまで蓄積された記憶とを,

ちょっと立ち止まり、照らし合わせるシステム。

行動する前に少し時間をかけます。

 

2の「どんどんいけいけシステム」とは、

探索心や冒険心に燃え、

新しい体験、新しい物事にも、

とにかくいくぞーと飛び出していくシステム。

 

誰もが、脳の機能として

この二つのステムを持っているといいます。

そして、これら二つのシステムの、

どちらが強いか、両方が強いか、両方とも弱いかなどバランスのあり方が、

「多様な性質」を生み出す原因のひとつ、

とアーロン氏は言います。

 

例えば、見知らぬ森を前にし、

1の「一時停止チェックシステム」が強い鹿が、匂いをかぎ、風を感じ、

目の前周りのあらゆることを情報として取り入れ、過去の記憶に照らし、

としている間、

2の「どんどんいけいけシステム」が強い鹿は、とにかくいってみよー、

と既に森に分け入っている、といった様子でしょうか。

(ちなみに、ヒト以外にも少なくとも100種類以上の動物に、

ハイリーセンシティブなタイプが見られるとわかっているようです。)

 

 

それで、HSPやHSCというのは、

この「一時停止チェックシステム」(前頭前野)が強い、

という脳の特性を持っているというわけですね。

あらゆる場面で、ものすごい勢いと迫力で押し寄せる情報ゆえ、

少し立ち止まってチェックせざるをえないといった様子だと思います。

 

それでも、HSPやHSCの中には、

「一時停止チェックシステム」が強いのと同時に、

「どんどんいけいけシステム」も強いタイプ、

がいるんだそうです。

二つのシステムが同じぐらい強いんですね。

 

そうしたハイリーセンシティブでありつつ、ハイリーセンセーションを求める人や子供 

(HSC/HSS:Highly Sensitive Person/Higly Sensation Seeker)というのは、

探検や冒険心に溢れ、新しいことを試したくてしょうがなく、

高いところにだってどんどん登りたいと突き進んでいく。

それでも同時に、

慎重であり、たいてい大きなリスクを犯すこともなく、

限界を知っているといいます。

 

 

だったら、バランスが取れて、何の問題もないじゃない、とも思うんですが、

HSC/HSSタイプの問題とは、

「どんどんいけいけシステム」を「理想」とする社会的雰囲気に影響を受けてか、

次第によりアクセルに足を踏み込みがちになっていく場合がよく見られるということのようです。

 

ああ、よく分かります。

特にこちら米国社会では、

慎重派よりも、探検心や冒険心に溢れ、新しいことにも果敢に挑戦するといった姿の方が、

かっこいー、というような眼差しを集めますからね。

また周りの雰囲気などにも敏感なHSPやHSCの場合は、

なおさらこうした風潮に影響を受けやすいのかもしれませんね。

 

それでも、元々「敏感さ」が強い分、

結局、きつい思いをすることになり、

メルトダウンを起こしてしまいがちということのようです。

 

例えば、HSP/HSSとされる

あるジャーナリストの例があげられているんですが、

「どんどんいけいけシステム」活発にアクセル踏み込み続け、

ある危険とされる地へ取材に出かけたんだそうです。

そこでテロによる爆破事件を目の当たりにし、

一切何も書けなくなってしまったと。

 

自らの「敏感さ」と折り合いをつけていくことが大切なんですね。

 

 

我が家では、長男がまさに、

このHSP/HSSタイプです。

昨夜なんて、ものすごい稲妻と大雨で、

家の前の道は川のようになっていたんですが、

ぴかぴか!がらがらどっかーん!ばしゃーというものすごい状況の中、

目はらんらんと輝き、いてもたってもいられないといった様子で、

「近所を走り回ってくるー!」というんですよね。

すみません、小学生でなく、16歳です・・・。

 

「雷に打たれるよー」というと

(妹たちもHSCな面がありますから、この世の終わりのような表情で止めてました)、

「いや、家屋に囲まれてるからそれはないだろう、

ビーチや野原など何もないところを走り回ったら危ないだろうけれど。」

と、一応彼なりに危険度は低いということを考えていたようですが(前頭前野も何とか頑張っている)。

それでも、もう少し詳しく調べ、建物や木へ落雷しても、

雨が降っている場合は、かなり遠くまで雨水をつたって感電する危険があるなど知り、

結局、玄関から少し外へ出て、空を仰ぎべしゃべしゃになってました。(笑)

 

アラスカでは、激しい雷雨というのはありませんでしたから、

「新しい体験」をできる限り味わいたくてしょうがないといったところでしょうか。

 

小さな頃は、過敏で周りから呆れられるほどの泣き虫だったんですが、

大きくなるにつれ、

どんどんいけいけシステム」がますます活発になっていると感じてます。

これは、前頭前野が未発達の一方、大脳辺縁系が劇的に発達するという

「ティーンの脳」(ティーンの脳って何がどう特殊なの?)も関係しているのでしょうね。

 

少しずつ「痛い」思いもしながら、

自分というものを知り、一皮向けていくということもあるとは思いますが、

自分に向き合い自分を大切に、進んでいって欲しいなと思いますね。

 

 

HSC/HSSタイプが、

ブレーキとアクセルとのバランスを、

うまく取っていけますように!

 

参考資料:『The Higly Sensitive Person』『The Higly Sensitive Child』by Elaine N. Aron

 

 

追記:これまでのハイリーセンシティブチャイルドについての記事は、

こちら「ハイリーセンシティブチャイルド」のカテゴリーにまとめています!

どういう子がハイリーセンシティブチャイルドか?

については、以下を参照されてください:

どういう子供が「ハイリーセンシティブチャイルド」なのか

「どういう子がハイリーセンシティブチャイルドか?」を見分ける最新バージョン「DOES」

 

 

 

 

 

 

 


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