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「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」研究紹介、このコンセプトに出合えたことに感謝する日々

2016年06月11日 | 自分への思いやり(セルフコンパッション)

「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」というコンセプト&実践が我が家に取り入れられるにつれ、子供たちをはじめ家族みな、その変化を実感しています。

自信をつけよう!自己肯定感を高めよう!とがちがちに力の入った状態から、すーと余分なものが抜け、自分のペースで地に足をつけ歩いていける、そんな気持ちです。

「敏感な子」や「完璧主義の子」や「不安感の強い子」などに、特に効果的です。

 

我が家では、引越しや学校が変わる等、これから再び家族にとっての大変化を迎えますが、こうした過渡期にも、その力を大いに発揮してくれます。このコンセプトに出合えてよかった、そう心から感謝する日々です。

 

 

それでは、「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」についての研究を、ざっと紹介します!

  (まずは’Treating Oneself Kindly When Things Go Badly Could Be A Key To Weathering Life's Challenges, Researchers Say ’より)


デューク大学教授Mark R. Leary氏率いた研究:

被験者に、

・ネガティブな体験を思い出す

・ネガティブなシナリオを想像する

・他者から叩き潰されるようなフィードバックを受け取る

・自身のタスクへの評価と同じタスクをする他者の評価を比較する

といった体験をしてもらいます。

そして、被験者の反応を、被験者の持つ「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」レベルと「自己肯定感」レベルと共に、調べていきます。

すると、以下のようなことが分かったといいます!

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、現実、記憶、想像でのネガティブな出来事に対し、ネガティブな感情を持つことがより少なかった。

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」は、ネガティブな体験への責任を受け入れさせるけれど、ネガティブな感情を中和する(counteract)。

・「自分への思いやり」を持つ人々は、ポジティブな感情を持っても、傲慢さやナルシズムや自己を強化するような幻想を持ちにくい。「自己肯定感」の高い人々が、ポジティブな感情を持つと、こうした状態に陥りやすい。

・自己肯定感の低い人が、他者から潰されるような評価を受け取っても、自身に思いやりをこめて向き合うことにより、自己肯定感が高い人と同じくらいの対応ができるようになる。

・「自己への思いやり」を持つ人々は、より出来事の成果や結果によることなく、自身を捉えることができる。それは、物事がうまくいこうが悪くなろうが、親切に受け入れる姿勢で自身に向き合うためであろう。

 

 

Leary氏曰く、「自己肯定感の低い人ほど、『自己への思いやり』をもつことが大切」とのこと。

自己肯定感が低くなりがちとされる「敏感な子」に接する中で、思い出していきたいですね(「ハイリーセンシティブチャイルドは低い自己肯定感に陥りがち」ってどうして?)。

またこの研究でも報告されてますが、以前の記事でも紹介したように、「自分への思いやり」といった姿勢は、「自己肯定感」を高めていこうとするよりも、「弊害」も少ないようですし、いいですよね。

「自己肯定感」と「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」との比較研究紹介

「自己肯定感」は効果的、けれど高めようとする方法によっては弊害を生み出す

 

 

2007年に発表されたこのLeary氏率いるこの研究には、「今後、自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」について、そのネガティブ面も含め、より研究がすすむことを期待している」とあります。例えば、「『自分への思いやり』が将来改善しようという気持ちを萎えさせることもあるかもしれない」と。

その後の研究では、いやいや、将来改善しようという「やる気」に繋がるんです、と示す研究もいくつかあるようです。(Does Self-Compassion Mean Letting Yourself Off the Hook? より)

・過去の過ちや屈辱や失敗に対し、「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つよう指導された被験者のほうが、起こったことに対し、人や出来事を非難するよりも、個人的な責任をより受け入る傾向にあった。

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、恥より罪の意識を持つ傾向にある。

(以前言及したんですが、心理学では、「恥」は、人としての価値に対するネガティブな評価といった全人格の否定につながりやすく、「罪の意識」は、言動が間違っていたという自責の念から、修復したいという気持ちにつながりやすい、とされています。)

・「自分への思いやり(セルフ・コンパッション)」を持つ人々は、より自らの誤りについて謝る傾向にある。

などなど。

 

またその他にも、「自分への思いやり」について、さまざまな角度から、研究が続いているようです!

http://self-compassion.org/the-research/


 

 

失敗や間違いなども深く深く響く「敏感な子」などは、もう十分自分の「至らなさ」を痛感してますから、必要なのは、厳しい批判ではなく、不完全さを包み込んでいく「思いやり(コンパッション)」なんですよね。そこから、再び立ち上がり、歩き続けていく力も湧き上がります。

 

さて、こちら、2ヶ月半の夏休みが始まります! 5人&近所の子達と日々もみくちゃになりながら、他者、そして自己への「思いやり(コンパッション)」を実践していきます!


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