マイコー雑記

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『It mama』寄稿:ママに「ダメ!」と言われた時、子どもに起こる3つの反応って?&その反応を「回避」または「抜ける」方法

2017年11月17日 | 思慮あるしつけ(discipline)

「ダメ!NO!」と頭ごなしに詰め寄ることについては、

我が子、そして、様々な子供さん生徒さんに接する中で、

効果がないばかりか、「関係がこじれていく元」にさえなると実感しています。

 

この『It Mama』の記事でもあげましたが、

早急に飛びついて止める必要がある状況というのは、

確かにあります。

 

例えば、道路に飛び出すとか、

お友達が傍にいるところで長い棒をぶんぶん振り回すとか、

ストーブや扇風機に手を伸ばすなどなど、

相手や自分がケガをする危険がスグ目の前に迫っている場合です。

 

でも、そうした場合以外では、

「ダメ!」と頭ごなしに言う必要ってないんですよね。

 

そして普段「ダメ!」を多用していないと、

こうした「いざ」というときの「ダメ!」の効果も絶大になり、

危険な目に合うことも、よりスムーズに回避できます。

 

 

「ダメ!」と言われた時に起こる原始的反射

この『It Mama』さんの記事では、

「ダメ!」と頭ごなしに言われた時、

子どもに起こる反応についての

小児精神科医ダニエル・シーゲル氏の説明を紹介してあります。

 

それは、

「ファイト・フライト・フリーズ(戦う・逃げる・固まる)」という反射反応です。

 

確かに、教室などでも、

もし、「ダメ!」と頭ごなしに言うのならば、

生徒の内に、ふつふつと反抗心が沸き上がりますし、

無視したくなったりとやる気も低下、

敏感っ子ならば、思考停止で固まりますね。

家庭でも、同じです。

 

「ファイト・フライト・フリーズ」とは、

人類が誕生以来99%の期間を占める「狩猟採集時代」に培われた

ヒトの持つ「より原始的な機能」とされています。

 

ライオンやカバといった猛獣に囲まれ暮らす中、

(カバって私もすごく意外だったんですが実は獰猛だそうですね!)

生き残るために、発達した機能なんですね。

 

猛獣を前に、

戦う! 一目散に逃げる! 死んだふり!と、

生死に関わる状況の中で刻み込まれたより本能的な反応。

 

こうした原始的な反射機能は、

「本当に危険な時」以外の場面で、

発動させる必要はないわけです。

 

例えば、

野菜食べないとダメ!

肘をついて食べたらダメ!

靴をそろえないとダメ!

といったことに、

生死をかけた反射反応を発動させる必要はない。

 

 

ストレスの原因は 「ファイト・フライト・フリーズ」しっぱなしの日常にある?

ちなみに、

ストレスの原因とは、

現代人は、生死に関わらないことにまで

やたらめったら「ファイト・フライト・フリーズ」状態を起動させっぱなしだから、

といった説もあります。

(ハーバード大学医学部教授で心理学者のRonald D. Siegel氏の

‘The Science of MIndfulness: Research- Based Path to Well -Being’ The Great Courseより。

こちらにより詳しくまとめてあります:『ユア子育てスタジオ』「ストレス」のルーツ、脳の進化とこれから

 

例えば、

コンピューターがフリーズした!

交通渋滞に巻き込まれた!

締め切りに間に合わない!

SNSのイイねの数がショック!

といった「生死には全く関係のない」ことにまで、

逐一「ファイト・フライト・フリーズ」反射してしまい、

ストレスが増大しっぱなしというんですね。

 

現代の病院を訪ねる人々の80%が「ストレス」を理由としているという調査もあるようですが、

明らかに生きるか死ぬかの危険にさらされることの少ない「平和な先進国」に、

ストレスに関する疾患が増大している現状。

 

「リアルな死」が日常から遠ざかって見える現代、

だからこそ、人々は、日常の雑事にまでもやみくもに、

「ファイト・フリーズ・フライト」反射!と混乱してしまっているのかもしれせん。

 

 

 

高性能な火災探知機=敏感っ子」と「ファイト・フライト・フリーズ」反射

 「ファイト・フリーズ・フライト」状態では、

側頭葉内側の奥にあるアーモンドの形をした扁桃体(amygdale)が活発になり、

アドレナリンの生産が活性化されるといいます。


扁桃体は、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つとされ、

物事が危険かどうかを察知する役割を担っています。

 

この「扁桃体」といえば、

エレイン・アーロン氏の著書『The Highly Sensitive Child』 でも、

「ひといちばい敏感な子」は、

この「扁桃体の感度が抜群(すぎる)」とされています。

 

「マジョリティーが通り過ぎる小さく見えること」にも、

逐一危険信号が発動してしまうわけです。

 

アラームが鳴りっぱなしで、休まる暇なしな、

「鉱山のカナリア」であり「高性能な火災探知機」である敏感っ子。

「敏感な子」が自らの特性とうまく付き合うために本人に伝えるストーリー

私自身、子ども時代を振り返り、よーく分かります。

 

では、こうした特性を持つ子が

「ダメ!ダメ!」攻勢を受け続けたらどうなるでしょう?

 

「ファイト・フライト・フリーズ」へ振り切れ状態、

ストレスマックス限界超え、

ではないでしょうか。

 

「敏感っ子」たちが、学校の教室などで、

頭ごなしに叱りつける教師の傍で、

たとえそれが自分に向けられたものでなくとも、

耐えられなくなって疲弊していくのも、

こんな仕組みがあるのかもしれません。

 

敏感な子であるほど、

「ダメ!」と頭ごなしに詰め寄る「以外の方法」を

実践していきたいですね。

 

 

 

記事には、「ダメ!」をどんな文章に言い換えられるかの

具体的なアイデアを載せてあります。

私自身、用いる中で、その効果を実感していますよ。

 

「ダメ!」と言いたくなったら、

「ここで、戦う・一目散に逃げる・固まるは本当に必要?」と見据え、

できる範囲で、文章を組みなおしていきたいですね。

 

興味ある方是非どうぞ!

ママに「ダメ!」と言われた時、子どもに起こる3つの反応って?

 

 

ちなみに、「マインドフルである」ためのトレーニングとは、

実はこの「ファイト・フライト・フリーズ」に気づき、

反射反応に突き動かされたまま「行動」へとなだれ込む前に、

一呼吸はさむ練習でもあるんです。

 

マインドフルネスのストレス低減の効果が、

様々な研究を通して認められているのも、

このためなんですね。

 

長くなりますので、こちらの記事に、

ストレスの原因となる「ファイト・フライト・フリーズ」しっぱなし状態から抜けるトレーニング紹介

私自身、その効果の大きさを実感しているトレーニングを紹介しました。

 

是非お試しあれ!

 

子犬と落ち葉 by 次女

 みなさん、今日もよい日を!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして! (福山)
2017-11-18 21:40:42
もうすぐギフテッドという映画が公開されるそうなので観に行きたいと思っています。
福山さん、コメントありがとうございます! (マイコー)
2017-11-22 21:48:03
お知らせくださってありがとうございます!

私は、ラッキーなことに、夏の日本滞在からこちらに帰ってくる飛行機の中で、『ギフテッド』観る機会がありました。

とてもオーソドックスな突出した「ギフテッド」のイメージが描かれているなあと思いましたよ。

突出した極端な例がモデルになっているため、「ギフテッド」とされる人々が抱える問題も、より可視化され、分かりやすく表されていると思います。

日本公開、楽しみですね!

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