L'Appréciation sentimentale

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなどのレポート

ジュンク堂書店札幌店オープン

2008-12-20 23:46:51 | 本と雑誌

 ジュンク堂書店が丸井今井南館にオープンした。6年前くらいにジュンク堂の大阪本店を訪れた際、その品揃えのすばらしさと雰囲気の良さに感動した。今や亡きブックファーストの渋谷店や青山ブックセンターのような本州の品揃えのいい書店が札幌にもできればいいなと思っていたが、ようやくジュンク堂が北海道にも進出してきたのだ。

 「図書館のような本屋」という広告コピーのように確かにすばらしい品揃えだ。文学全集の棚にバルザック全集やハロルド・ピンター全集がおいてあるのには驚いた。この前亡くなった加藤周一『日本文学史序説』もきちんと正面に向けて置かれている。高い棚に囲まれた各種売り場はマイナーな作家もレーベルもほぼ網羅されていて、その品揃えに圧倒される。ワンフロアの面積が広いので、8階まである池袋店のようにエスカレーターの往復が少ないのは楽である。雰囲気もとっても落ち着いて居心地がいい。

 巨大な書店は札幌駅周辺に集中しているので、大通にこういう書店ができるのはとっても助かる。紀伊国屋は良くも悪くも教科書的な品揃えで、正直あまり面白いとは言い難かった。雑誌の休刊や売り上げ低下などは今に始まったことではないが、こういう巨大な書店ができて客が集うというのは、少なくともまだまだ社会は健全であろう。この本屋の誕生は全体的な業界の活性化と地域のリテラシー向上の役割も担っているのだ。

 偶発的な本との出会いを求めるなら巨大書店がいい。リアルアマゾンのような感覚を楽しめる。それをそこそこのペースながらうまく行っていた書店が札幌弘栄堂書店の地下鉄店だったが、残念ながら7月に閉店してしまった。

 ライバル店は今後どういう戦略を打ち出すのだろうか?

 リーブルなにわは影響を受けるかもしれない。だが、駅からの利便性とコミックの品揃えではリーブルなにわの方がとっても便利だ。ジュンク堂はやや中心部から外れるためそこまで出向く必要がある。コミックを買うなら4階までエスカレーターで上がるよりも近くのアニメイトやとらのあなの方が近い。それにジュンク堂札幌店のコミックにはビニールのカバーが掛けられていなかったので立ち読みし放題だ。基本的にキレイな本を買いたいので、なるべくカバーを掛けて欲しいとは思う(カバーの是非は賛否両論ではある)。

 財布をなくしたので書籍に限らず何を買うにも心が窮するが、それでも今回思いきって購入したのは星野智幸『ロンリー・ハーツ・キラー』と東浩紀+桜坂洋『キャラクターズ』である。他にも色々購入希望の本はあるが、財布紛失の心理的な影響がはげしく大きいので必要以上の買い物はしばらく控えたい。


財布の紛失とメッセージとセレンディピティ

2008-12-15 23:38:52 | 雑記

 突然財布を紛失してしまった。今月初めの土曜日ころ、実に久しぶりに近所の喫茶店でカフェオレを飲みながら読書をして贅沢な時間を過ごした。座席で財布を鞄から出して料金を取り出し、レジで支払いを済ませた。その後、すぐ近くの薬屋で日用品を買おうとしたした際、レジで財布がないことに気がついた。全速力で喫茶店まで戻りウェイトレスさんに尋ねたが、財布はなかったとのこと。自分が座っていた座席周辺にも落ちていなかった。確かに鞄に財布を入れて喫茶店を出たはずだが、いったいどこに消えてしまったの皆目かわからない。すぐに警察、銀行やクレジットカード会社などに届けを出し、休みの日に手稲の運転免許試験場まで行って免許証を再発行してもらった。

 落とした金額よりも諸々の手続きや手間が面倒だった。まるで財布だけ異次元に神隠しにあったとしか表現しようがないくらい本当に鞄から消滅してしまったのだ。おそらく落としてもいないし、誰も拾っていないのだろう。何事にも意味は存在する。意味のない偶然は存在しないとも思う。これもまた神(全知を支配する存在?)が与えた何らかの警告と試練に違いない。きっと金銭の使い方を律するようにとのメッセージであろう。考えてみたら財布を紛失する2,3日前非常に気分がネガティブになっていた。それが今回の紛失となる引き金を引くことになったかもしれない。

 しばらく放心状態で読書もできない日が続いた。普段行くことのない運転免許試験場まで出かけてちょっとしたプチ旅行気分にもなった。帰りに札幌駅の旭屋書店でル・クレジオのデビュー作『調書』と現在公開中の映画「ブラインドネス」の原作ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』の廉価版が売っているのを発見。ヨーロッパを代表する二人のノーベル賞作家の著作が平積みされている。はやくもル・クレジオの本を復刊した新潮社に尊敬の念を感じた。購入する楽しみは先にとっておこう。

 そして何気なくiPodに入っていた宇多田ヒカルのアルバム『HEARTSTATION』のFight The Bluesを聴いたらまさしく今の気分を励ますドンぴしゃの歌詞が流れてくる。著作権上引用ができないのが残念だが、世の中は何気なく目や耳についたものが全て「メッセージ」となって自分に立ち現れてくるようにできているものだ。それをどう意識して解釈するかが重要になってくる。

 メッセージを受け取るためには「気づき」が必要だ。そのためには・・・メンタルをタフに保つこと。心の中にある「気」を高く持つこと。精神レベルを常に高めに維持すること。そうなると、今まで見えなかったものが見えてくるようになる。そこに気がつき、受け入れることだ。それこそ脳科学者の茂木健一郎先生がいう偶然を幸運に結びつける「セレンディピティ」を呼び込むことになるのだろう。ネガティヴをポシティヴに捉えるのも脳の使い方次第だ。


マイケルショックの果てに・・・師走突入

2008-12-02 01:05:16 | 雑記

 マイケルショックが相変わらず続いている。最近北海道新聞社から発売された『ファイターズオフィシャルグラフィックス』をめくっても、来年マイケルがいないことに、寂しさと今後ファイターズピッチャー陣の継投策がどうなるのだろうかという思いで一杯になる。この思いが晴れるのは来年の巨人の試合でマイケルがすばらしいピッチングを見せることと、日ハムの新守護神誕生まで待つしかなさそうだ。日ハムファンの友達と会うと必ず今回のトレードのことで話しが盛り上がる。一つ言えることは、勝利の方程式を自ら崩したこのトレードでヒルマン体勢が解体され、一つの時代に区切りがついたということであろう。今後ますます若手とベテランの拮抗が激しくなる中で、来年の梨田監督はファイターズをどう改造していくのだろうか?

 そんなこんなでメランコリックな気分がずっと続いていたので、憂鬱な気分を振り払うべく余市川温泉宇宙の湯まで足を伸ばして心身にエネルギーを得てきた。帰り道で紀伊國屋の小樽店に立ち寄り、比嘉智康先生の『ギャルゴ!!!!!』の第4巻されたのでメディアファクトリー文庫の新刊が置かれている平積みのコーナーを見たら『ギャルゴ!!!!!』だけなぜか売っていなかった。すでに買われたということか?文学フリマで購入したゼロアカ道場の同人誌「PLANETS」最新号、ジュンク堂池袋店で買った『現代詩手帖特集版ル・クレジオ』、宇野常寛『ゼロ年代の想像力』など、読む本が溜まる一方ではある。冬目景『イエスタデイをうたって』の6巻(1年10ヶ月ぶりの新刊!)や柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』9巻、古屋実『ヒメアノール』1巻など魅力的な新刊が続々出ている。買い逃している本も多い。ジュンク堂札幌店が20日にオープンする。とりあえず札幌駅の紀伊國屋まで行かなくても品揃えのいい巨大な本屋が市内中心部できるのは大賛成だ。ほとんど脈絡のないことを書き綴ったが、詳細なレビューなどはまたの機会に!