ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

決済手段に求められること

2008年12月24日 | コンテンツビジネス
ネットでの有料サービスをどう伸ばしていくかという議論の際に必ず出るのが、「決済手段っていろいろあった方が便利だよね」という話題。一見、正しそうな意見だけれど、先日書いた「足し算思考」とおんなじで必ずしも正しい意見ではない。

例えば「自動販売機」。

ここで使える決済手段というのは多くの場合「円」のみだ。JRの駅構内に設置されている自販機なら、もしかしたらSuicaやパスモに対応しているかもしれない。セブンイレブンの前ならnanacoに対応しているかもしれないし、イオンの中ならWAONに対応しているかもしれない。しかしこれらはある特定のエリアに絞られた例外的なケースと考えるほうが普通だろう。

「円」という圧倒的に普及している決済手段、あるいは流動性が存在している以上、例え貨幣を持ち歩く必要がないとはいえ、電子マネーのような決済手段/流動性はあくまで補完的な役割でしかないのだ。

これと同じようにいえるのが「携帯電話」に世界だ。

いわゆる公式サイトと呼ばれているサイトではそのキャリアの決済手段が提供されている。iモードの公式サイトの「レコ直」ではドコモの課金決済システムが提供され、ezの「レコ直」ではauの課金決済システムが提供されている。ドコモユーザーはドコモ課金しか使えず、auユーザーはauの課金システムしか使えない。逆に言うと、ドコモユーザーにはドコモの課金システムが普及し、auユーザーにはauの課金システムが普及している以上、それ以外の課金システムは必要ないといえる。

このことを理解しておかないと、大きな勘違いをしてしまう。つまり決済手段には汎用性の高さ・普及度や信用度が必要なのであり、多様であることが求められているわけではない。「いろいろな決済手段があると便利」というのは、PCを利用したインターネット上にそこまでの汎用性の高い決済手段がないだけなのだ。

仮に現状の有料サービスに決済手段を追加するとして、では追加するのはどんな決済手段でもいいかというとそうではない。普及していない決済手段、その分野の商取引の利用の低い決済手段を追加しても仕方がない。

まぁ、こう書くと当たり前にしか聞こえないのだけれど、いざ現場に戻るとかならずしもこうはいかない。WEBMONEYがいいだとか、NETCASHがいいだとか、ちょコムがいいだとか、Edyだとか、クレカの番号でいいだとか、そもそも無料モデルに切り替えだとか…

かって(といっても数年前か…)SNSの走りとして、あるいはゲーム系コミュニティとして一世を風靡していた「カフェスタ」が有料モデルになるようだけれど、携帯サービスくらい、PCインターネットの世界にも汎用的な決済手段があれば、苦労はしないんだろうな、とついつい感じてしまうのだ。


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