『ご近所さんを探せ!』にはもはや求めるものはないのだが、たまに季節の挨拶メールをくれる岡山の人がいて退会はしていない。
4月12日に川越の『ご近所さん』から
>日本酒がお好きなようですね。旨い蕎麦屋で蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを飲んだり、酒蔵を訪ねて、旨い日本酒を探すような旅が好きだったりします。エムサクさんのお酒のうんちくも是非お聞きしたいですね。メールから仲良くなれたら幸いです。
というメールが来て、返事をしたら『瀬戸の灘』というレアな黒糖焼酎が好きだと言う。
『瀬戸の灘』と言えば『檸檬屋新宿』の元従業員Mちゃんの縁戚関係が造り酒屋で、私も馴染みのお酒で大好きだ。
これに川越『ご近所さん』は運命的なものを感じたらしく、価値観が似ていると、かなり盛り上がっていた。
しかし岸田敏志のリサイタルに行くとか、小曽根真が好きとか、利き酒選手権に出場したり、バンド大会に出たり、価値観は随分違うと私は思った。
それはいいが、気軽にお酒を飲むだけだから、と言ってるのに、
>僕は見かけによらずやきもち焼きなのでーそこの所はよろしくお願いしまーすf^_^;
と言われて困惑する。
どうして会ったこともない、よく知らない人に心ときめかせることができるのか、不思議だ。
写真の川越『ご近所さん』はとてもいい人そうな笑顔だが、やっぱり会ってみなくちゃわからない。
なんとかクールダウンしてもらえたらと思うのだが、日に何度もメールをやり取りするようになってしまって、早いとこ会ってがっかりしてもらった方がいいかもしれないとすら考えるようになった。
> 真理さんには、話していませんでしたが、実は自転車で日本一周にチャレンジしています。二十代から始めて、漸く後半戦になりました。今回の下北半島で東北がすべて終了します。自己満足でしかない、チャレンジですが、この夢を成し遂げなければー僕は先に進めないのです。
> 来月の朔の夜行で青森に向かいます。もし、その前日にお会い出来たら、真理さんから勇気を貰えそうな気がします。もし、お会い出来るならば、僕が都内まで出向きますo(^-^)o
素晴らしいことだと思うし、励ますのはいくらでもするが、責任重そうだ。
前日に会ってがっかりして傷心旅行になってしまったら申し訳ない。
「私には期待しないで、美味しいお酒を飲みましょう」と言う。
そして30日に都合が合えば会うという話になった。
しかし私の都合が悪くなったので、29日夕方、数時間飲みますかと言って川越にいた『ご近所さん』を呼び出す。
『東武』の日本酒売り場で待ち合わせ。『獺祭』が試飲をやっていて飲み比べる。
私は純米大吟醸生『三割九分』が好きだった。美味い!
店はおまかせします、とのことで『酒処 萬屋松風』にてビール、日本酒。
ここは日本酒を一合徳利で出すのだが、川越『ご近所さん』は
「これ、あらかじめ注いでおいて、冷やしてますよ」と、わけのわからないことを言う。
「そんなことする店、あるの?何のために?」
私の問いには答えず
「グラスの受け皿にどれくらいお酒を溢れさせるかで、お店を決めるんです」。
そういう店でしか飲まない、ということか?
「ナポレオンとヴェルサイユ展に行きました。ナポレオン、かっこいい!」と私。
「ナポレオンが理想の男ですか?」
「理想の男ではないなあ。理想の男は勝新!」
と言って定期入れの勝新の香典返しのテレカを見せる。
何故か定期入れの方に反応する川越『ご近所さん』。革製品が好きらしい。
「本物の皮ですか?すごくいい色になってますね」
そして、ささきもと子さんの『さくらんぼバッグ』も「本皮ですか?」
オーラ・カイリの財布を「これも皮ですよね?」と言って手に取り、鼻に押し当ててすーーーっと臭いを嗅ぐ。
うわ、勘弁して。
仕事の話など。川越ご近所さんは行政書士をやっているらしい。パートナーと事務所を構えているとか。
「仕事でもプライベートも価値観が合うことが一番大事」と川越ご近所さん。
接待について。
「接待される側の気持ちってどうなんでしょうね。何が楽しいのかと思う。あ、でも男の人にご馳走してもらうのは好きだな」
「今日はご馳走しますよ」
「わーい、わーい」
こんな気持ちか。
ご馳走になって申し訳ないと思うが、言わねばなるまい。
「やきもち焼きだと言うから他の男性の話は聞きたくないかと思うんだけど」
「いえいえ」
「なんだか盛り上がってしまって、メールで言うのもどうかと思って、会ったら言わなくちゃと思って」
「はい」
「私はお酒を飲んだり、展覧会に一緒に行ったりはできるけど、彼に言えないようなことはしませんから」
「はい。そうですよね。わかりました」
急に黙る川越『ご近所さん』。あああ。
「でも、大丈夫。きっと素敵な女性が見つかる」
「いや、僕なんかダメです。容姿も自信ないし、純朴で素朴な田舎ものだし」
「全然大丈夫ですよ!」
「いやいや、いいんです。もう。こうして会ってお話してもらって、楽しかったですから」
「また飲みましょう!」
で、時間はまだあるけど盛り下がったので店を出る。
「今日は会えて良かったです。女性とこんなふうにお話しする機会ないですから」
「良かった。自転車日本一周頑張って下さい。今日はしてくるの忘れちゃったんだけど、帰って来たら自転車柄のスカーフでお迎えします」
そして改札前の別れ際、小指を出す川越『ご近所さん』。
え?小指?何で?何の約束?
「あ、じゃあ」
と言って握手を求める川越『ご近所さん』。
しかし私は荷物とケータイで両手がふさがっていた。
「え、あ、う」などと戸惑っていたら
「あ、じゃあ」
と手を振って改札を抜けていく川越『ご近所さん』。
なんだよー、握手は拒否してないよー。指切りはできないが。
「今日は振り回したあげくご馳走していただきましてありがとうございました。
最後は握手拒否してませんからね。
気軽な飲み友達でよろしかったら今後もよろしくということで。
後に予定があり慌ただしくなってすみませんでした。
青森の旅気をつけて。美味しいお酒と食べ物楽しんで来て下さい。」
とお礼メールを送るも無反応。以来、日に何度も来ていたメールがぱったり止んだ。
やはりがっかり傷心旅行にしてしまったのかと大変申し訳なく思う。
4月12日に川越の『ご近所さん』から
>日本酒がお好きなようですね。旨い蕎麦屋で蕎麦焼酎の蕎麦湯割りを飲んだり、酒蔵を訪ねて、旨い日本酒を探すような旅が好きだったりします。エムサクさんのお酒のうんちくも是非お聞きしたいですね。メールから仲良くなれたら幸いです。
というメールが来て、返事をしたら『瀬戸の灘』というレアな黒糖焼酎が好きだと言う。
『瀬戸の灘』と言えば『檸檬屋新宿』の元従業員Mちゃんの縁戚関係が造り酒屋で、私も馴染みのお酒で大好きだ。
これに川越『ご近所さん』は運命的なものを感じたらしく、価値観が似ていると、かなり盛り上がっていた。
しかし岸田敏志のリサイタルに行くとか、小曽根真が好きとか、利き酒選手権に出場したり、バンド大会に出たり、価値観は随分違うと私は思った。
それはいいが、気軽にお酒を飲むだけだから、と言ってるのに、
>僕は見かけによらずやきもち焼きなのでーそこの所はよろしくお願いしまーすf^_^;
と言われて困惑する。
どうして会ったこともない、よく知らない人に心ときめかせることができるのか、不思議だ。
写真の川越『ご近所さん』はとてもいい人そうな笑顔だが、やっぱり会ってみなくちゃわからない。
なんとかクールダウンしてもらえたらと思うのだが、日に何度もメールをやり取りするようになってしまって、早いとこ会ってがっかりしてもらった方がいいかもしれないとすら考えるようになった。
> 真理さんには、話していませんでしたが、実は自転車で日本一周にチャレンジしています。二十代から始めて、漸く後半戦になりました。今回の下北半島で東北がすべて終了します。自己満足でしかない、チャレンジですが、この夢を成し遂げなければー僕は先に進めないのです。
> 来月の朔の夜行で青森に向かいます。もし、その前日にお会い出来たら、真理さんから勇気を貰えそうな気がします。もし、お会い出来るならば、僕が都内まで出向きますo(^-^)o
素晴らしいことだと思うし、励ますのはいくらでもするが、責任重そうだ。
前日に会ってがっかりして傷心旅行になってしまったら申し訳ない。
「私には期待しないで、美味しいお酒を飲みましょう」と言う。
そして30日に都合が合えば会うという話になった。
しかし私の都合が悪くなったので、29日夕方、数時間飲みますかと言って川越にいた『ご近所さん』を呼び出す。
『東武』の日本酒売り場で待ち合わせ。『獺祭』が試飲をやっていて飲み比べる。
私は純米大吟醸生『三割九分』が好きだった。美味い!
店はおまかせします、とのことで『酒処 萬屋松風』にてビール、日本酒。
ここは日本酒を一合徳利で出すのだが、川越『ご近所さん』は
「これ、あらかじめ注いでおいて、冷やしてますよ」と、わけのわからないことを言う。
「そんなことする店、あるの?何のために?」
私の問いには答えず
「グラスの受け皿にどれくらいお酒を溢れさせるかで、お店を決めるんです」。
そういう店でしか飲まない、ということか?
「ナポレオンとヴェルサイユ展に行きました。ナポレオン、かっこいい!」と私。
「ナポレオンが理想の男ですか?」
「理想の男ではないなあ。理想の男は勝新!」
と言って定期入れの勝新の香典返しのテレカを見せる。
何故か定期入れの方に反応する川越『ご近所さん』。革製品が好きらしい。
「本物の皮ですか?すごくいい色になってますね」
そして、ささきもと子さんの『さくらんぼバッグ』も「本皮ですか?」
オーラ・カイリの財布を「これも皮ですよね?」と言って手に取り、鼻に押し当ててすーーーっと臭いを嗅ぐ。
うわ、勘弁して。
仕事の話など。川越ご近所さんは行政書士をやっているらしい。パートナーと事務所を構えているとか。
「仕事でもプライベートも価値観が合うことが一番大事」と川越ご近所さん。
接待について。
「接待される側の気持ちってどうなんでしょうね。何が楽しいのかと思う。あ、でも男の人にご馳走してもらうのは好きだな」
「今日はご馳走しますよ」
「わーい、わーい」
こんな気持ちか。
ご馳走になって申し訳ないと思うが、言わねばなるまい。
「やきもち焼きだと言うから他の男性の話は聞きたくないかと思うんだけど」
「いえいえ」
「なんだか盛り上がってしまって、メールで言うのもどうかと思って、会ったら言わなくちゃと思って」
「はい」
「私はお酒を飲んだり、展覧会に一緒に行ったりはできるけど、彼に言えないようなことはしませんから」
「はい。そうですよね。わかりました」
急に黙る川越『ご近所さん』。あああ。
「でも、大丈夫。きっと素敵な女性が見つかる」
「いや、僕なんかダメです。容姿も自信ないし、純朴で素朴な田舎ものだし」
「全然大丈夫ですよ!」
「いやいや、いいんです。もう。こうして会ってお話してもらって、楽しかったですから」
「また飲みましょう!」
で、時間はまだあるけど盛り下がったので店を出る。
「今日は会えて良かったです。女性とこんなふうにお話しする機会ないですから」
「良かった。自転車日本一周頑張って下さい。今日はしてくるの忘れちゃったんだけど、帰って来たら自転車柄のスカーフでお迎えします」
そして改札前の別れ際、小指を出す川越『ご近所さん』。
え?小指?何で?何の約束?
「あ、じゃあ」
と言って握手を求める川越『ご近所さん』。
しかし私は荷物とケータイで両手がふさがっていた。
「え、あ、う」などと戸惑っていたら
「あ、じゃあ」
と手を振って改札を抜けていく川越『ご近所さん』。
なんだよー、握手は拒否してないよー。指切りはできないが。
「今日は振り回したあげくご馳走していただきましてありがとうございました。
最後は握手拒否してませんからね。
気軽な飲み友達でよろしかったら今後もよろしくということで。
後に予定があり慌ただしくなってすみませんでした。
青森の旅気をつけて。美味しいお酒と食べ物楽しんで来て下さい。」
とお礼メールを送るも無反応。以来、日に何度も来ていたメールがぱったり止んだ。
やはりがっかり傷心旅行にしてしまったのかと大変申し訳なく思う。