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野生のエルザ

2008-10-22 11:18:46 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ジェームズ・ヒル
キャスト ヴァージニア・マッケナ、ビル・トラヴァース、ジェフリー・キーン
1965年 イギリス、アメリカ
ジャンル:実話、動物もの

【あらすじ】
ケニアの狩猟監察官ジョージ・アダムソン(ビル・トラヴァース)とその妻ジョイ(ヴァージニア・マッケナ)は、射殺された人食いライオンの子を引き取り、エルザと名付けて育てるが、やがて夫妻はケニアを離れることになり、人間に慣れ切ったエルザを野生に戻そうと腐心する……。

【感想】
この夫婦が本作での後の話として実際どうなったかとかいう事実を一切知らないのであれば素直に感動できるでしょう。間違いなく余計な詮索はしない方がいい映画です。
動物ものの映画の場合(特に日本映画)、多くが感動を無理やり押し付けているようであまり好きではないのですが、本作に関してはそのような嫌味は感じませんでした。また同時に「偽善だ」という非難も多いですが、実話だけあって説得力はあると思います。

確かにエルザはとても可愛かったのですが、それでも役者達はあんなでかいライオン相手に演技するのは内心では相当怖かっただろうなと思います。
唯一気に入らなかった点をあげれば、エルザを野生に返すことにこだわった理由です。動物園に連れて行くことで自由を奪いたくないと言っていました。しかしよく考えてみると、育てた三匹の子供の内、二匹は手に負えなくなって動物園送りしたのだから、その考え方には矛盾があるし、エルザだけを贔屓したことに対する抵抗を感じます。そもそも自分達の都合で人間の手で育てることになったわけですから、ずるいですね。けどそのことに対して批判するとこちらの方が、狭い人間だと思われそう雰囲気が漂っているでそれ以上はやめておきます。

これを書くのは完全に夢を壊してしまうので、以下は本作を気に入っているなら見ない方がいいと思いますが、英語版wikiに夫婦がどうなったかが詳しく書いてあります。夫婦仲は良好ではなく、何度も危機を迎えたとのこと。酷い時には別居状態で彼女の印税を夫に与えなかったので旦那まで仕方なく本を出版することになったそうです。そしてジョイは現地のお手伝いに殺されてしまいました。またエルザを演じたライオンは野生に戻ることはできなかったとか。あれだけの演技ができる程調教されていれば、そりゃそうだなと納得してしまいました。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

野生のエルザ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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