ポゼッション

監督 アンジェイ・ズラウスキー
キャスト サム・ニール、イザベル・アジャーニ
1980年　フランス、西ドイツ
ジャンル：ドラマ、サスペンス、SF

【あらすじ】
数年間の単身赴任を終え、西ドイツの近郊都市に戻ってきたマルク(サム・ニール)は妻アンナ(イザベル・アジャーニ)の態度の変化に驚愕する。やがて夜な夜な家を後にするようになったアンナは、結婚生活や母親業から逃れたいこと、そして愛人の存在を夫に告げるのだった。

【感想】
これはキチ●イ。（でもこの映画を取り上げることができてとても光栄。）

完全に狂っている。狂気の映画を挙げろと言われれば私なら真っ先に本作を推します。普段腐るほど映画を見ているような人でもこういう作品はそうそうお目にかかれるものではないでしょう。知る人とぞ知るカルト映画ですがデヴィッド・リンチの意味不明な世界が好きな人であれば絶対に見ておくべし。

特に地下鉄の通路で吐きながら絶叫するシーンはまあ強烈。この凄さは言葉では表現出来ない（非常に有名であるためyoutubeなどに上がっているので興味があれば検索してみて下さい。）
ホラー系の場合、いつからなのかは正確にわかりませんが、ある年齢を境にあまり怖くなくなってしまうように感じます。それでもこれは別。いつ観ても凄まじいものがあります。

しかもこれを演じたのがフランスを代表する人気女優イザベル・アジャーニ。まだ無名時代だったとはいえ、よくこんなお下劣な役を引き受けたなと心底思います。

解説サイトを読んで知りましたが、本作はポーランドの悲劇的な歴史を象徴的に表現していると言われているそうです。個々のシーンについては非常に解釈の難しいはっきり言って理解不能系の映画ですが、基本的には自分の心の中の葛藤から善と悪の争いが起こり狂気に陥る女性アンナの姿と不倫と言う形でそれに巻き込まれる夫の姿を描いています。

シナリオについては短く触れただけですが、演技に圧倒されてしまったためあまり意識できなかった。心残りなので時間を空けてから再鑑賞したいが、相当な気力を求められるでしょう。それからこれに関連してDVD廃盤をなんとかしてください。（中古はなんと2万2千円のプレミア。＊同タイトルの別映画にはご注意。）

この世で最も恐ろしいのは人間という点でホラー映画の大傑作だが、これを鑑賞して気分が悪くなっても責任は持てません。

お薦め度：★★★★★★★★☆☆

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