映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

真夜中のカーボーイ

2010-06-16 00:03:14 | ★★★★★★★★★☆
監督 ジョン・シュレシンジャー
キャスト ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン、ブレンダ・ヴァッカロ、ブレンダ・ヴァッカロ、シルヴィア・マイルズ、ボブ・バラバン、バーナード・ヒューズ、ジェニファー・ソルト
1969年 アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
大都会ニューヨークで一旗挙げるべくテキサスからやって来たジョー。だが、現実は厳しくいつしか孤独感にさいなまれる中で、彼はラッツォと呼ばれる小男と出会う。肺を病み、片足が不自由なラッツォの夢は太陽が輝くマイアミに行くこと。やがて奇妙な友情で結ばれた2人は、大都会の底辺から必死で這い上がろうとするが……。

【感想】
アメリカンニューシネマと言えば、真っ先に名前が挙がるのは「俺たちに明日はない」「明日に向って撃て!」「イージー・ライダー」そして本作あたりでしょう。つまり映画好きには必見の作品の一つ。個人的にもアメリカンニューシネマの中では一、ニを争う位好きですね。

社会全体が病んでいるような当時のアメリカで生活していかなければならない人々の息苦しさが伝わってくる。アメリカンドリームを夢見てニューヨークへ渡った若者が直面した現実。欲望の渦巻く利己的な考えばかりが支配する社会で、勢いだけの金も知恵もない若者が生活するためにやっていたことの虚しさ。日本で言う底辺の人達とは比べ物にならないほど不憫だった。

それでも偶然知り合った男と共に生活する中で徐々に友情が芽生え、最後には命と引き換えに人間らしさを取り戻すことになります。それまでアイデンティティだったカウボーイ姿を止めた時の決意には心打たれた。ニューヨークを捨て自然豊かなフロリダへ移動する途中の出来事だったことも印象的です。立ち寄った喫茶店で女性店員が気軽に話しかけてくるのはニューヨークでは見られなかった温かみのある光景だった。

映像面では現在進行中の中に過去の映像をモノクロで挿入することで主人公の不安定な心理状態を見事に表現することに成功しています。テキサスでの辛い過去が主人公の中でフラッシュバックされる。手法自体は他でもありふれたものでありながらも本作における使い方は非常に効果的だった。

ダスティン・ホフマンが主演のジョン・ヴォイトを食った形になっているがやや不満。それでも映像だけでも観る価値は高いです。それから水野氏が「カウボーイ」ではなく「カーボーイ」にした理由を聞いたことがありましたが、忘れてしまいました。

夢を諦めたのに「良かったね」と言いたくなるのはこの映画だけかもしれない。やるせない気分になる。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

真夜中のカーボーイ (2枚組特別編) [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

このアイテムの詳細を見る

最新の画像もっと見る