監督 ペニー・マーシャル
キャスト ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムス、ジョン・ハード、ルース・ネルソン、ペネロープ・アン・ミラー、マックス・フォン・シドー、デクスター・ゴードン、ブラッドリー・ウィットフォード、ピーター・ストーメア、リチャード・リバティーニ
1990年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、実話
【あらすじ】
1920年代に流行した嗜眠(ルビ:しみん)性脳炎によって、30年もの間、半昏睡状態のレナードは、意識はあっても話すことも身動きもできない。彼に強い関心を抱いた新任ドクターのセイヤーは、レナードに試験的な新薬を投与し、機能回復を試みる。そしてある朝、レナードは奇跡的な“目覚め”を迎えた…。
【感想】
この時期のロビン・ウィリアムスも名作揃い。「パッチアダムス」や「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」もいい映画ですが、90年代であれば本作が一番好きですね。
実話ものとして奇跡を描いた映画はいくらでもある中で本作は奇跡が起こった後につらい現実に直面してしまいます。奇跡が起こった系の映画はどこか疑ってかかってしまうのですが、本作はその悲しい結末のおかげで説得力があるように感じました。それでも一度は人間としての姿を取り戻すことができた点に救いを見出せるので「いい映画だけど二度と見たくない。」というような気分にさせられることもありません。
前半では30年間も寝たきり状態だった患者達が一人の医師によって再び意識を取り戻してしまう奇跡が本当に起こったことに驚かされます。これだけで十分に1本の映画になるレベルです。しかし最初は大喜びだった患者達も30年後の歳を取ってしまった自分の姿を見て葛藤したり、徐々に副作用が襲うようになる。持ち上げられて突き落とされるような展開であるにもかかわらず、それでもこの患者達はこれでよかったのだろうなという余韻が残ります。
それからロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムスの演技が素晴らしいですね。痙攣が止まらない自分の姿を貴重な資料になるからビデオで撮影しろと指示する2人のやりとりは名場面。身体障害者を演じたロバート・デ・ニーロが高い評価を受けているのはいうまでもなく、患者と真剣に向かい合う人間味溢れる優しい医者役を演じたロビン・ウィリアムスの演技が光っていたと思います。
本当にいい話なのですが、ただレナードに副作用が出たのは薬の過剰投与が原因でこの医療行為が現実の世界でも批判されているという話を聞いたことがあります。映画でも彼だけに倍の量を投与するシーンがあることから紛れもない事実なのでしょう。実話である以上は実際のレナードの評価を知っておきたいところです。
お薦め度:★★★★★★★★☆☆
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