監督 ロマン・ポランスキー
キャスト ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリヴィア・ウィリアムズ、ティモシー・ハットン、トム・ウィルキンソン、ジェームズ・ベルーシ、イーライ・ウォラック
2010年 フランス、ドイツ、イギリス
ジャンル:サスペンス、ミステリー
【あらすじ】
元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター。ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸の孤島に1ヵ月閉じ込められることと、締め切りまで時間がないことを除けば、おいしい仕事のはずだった。しかし、前任者のゴーストライターは事故で死んだという-。とにかく、気乗りがしなかった・・・。 仕事を始めた直後、ラングに、イスラム過激派のテロ容疑者を“不法”に捕らえ、拷問にかけたという戦犯容疑がかかる。しかし、この政治スキャンダルもまだ序章に過ぎなかった。 はかどらない原稿と格闘していく中で、ゴーストライターはラングの発言と前任者の遺した資料との間に矛盾を見出し、ラング自身の過去に隠されたもっと大きな秘密に気づき始める。やがて彼は、ラングの妻ルースと専属秘書アメリア・ブライとともに、国際政治を揺るがす恐ろしい影に近づいてゆく・・・。
【感想】
ロマン・ポランスキー往年の人間の心の中に潜む狂気を鋭く描くというタイプの作品ではありませんが、先の読めない展開に釘付けにさせられた良質なサスペンスでした。
英国元首相ラングの自伝を執筆することになったゴーストライターがラングと共に行動をするにつれ重大な事実を発見する。
作品全体を政治的な陰謀が支配しているのが特徴だと感じました。この雰囲気のおかげで格調のある作品になったと思います。下手な監督だとこの雰囲気を作れないので胡散臭い陰謀論を見せられて終わっていたことでしょう。派手さはなく静かでもじっくりと糸口が見つかって前に進んでいく展開が良かった。ただ謎解きのプロットに関してはいくつかは微妙(明らかに無理がある)ものだったのは残念。
肝心の黒幕の正体については全く予想できませんでした。見事にやられたという気分。結末は主人公がゴーストライターの仕事を引き受けてしまった段階でもう逃れられない運命だったのだなという虚しさに近い後味が残りました。
キャストでは主演のユアン・マクレガーは外見的に個性の強い俳優ではないのでゴーストライターという裏方の役にはぴったりでした。ピアース・ブロスナンもすっかり貫禄がついて大物政治家役がはまっていた。キャスティングも良かったと思います。
国の陰謀をテーマにした映画に対して拒否反応を起す人は多いと思う。ただ第三者の日本人の視点鑑賞している限りはさほど問題でもないでしょう。ネタバレになりますが、他国が描いたアメリカの陰謀というのもハリウッド映画に慣れているといいものです。
お薦め度:★★★★★★★★☆☆
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