監督 クリント・イーストウッド
キャスト ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、カイル・ガルナー、マーネット・パターソン、レナード・ロバーツ、コリー・ハードリクト、ブライアン・ハリセイ、ジョナサン・グロフ、
ロバート・クロットワーシー
2014年 アメリカ
ジャンル:アクション、ドラマ
【あらすじ】
テキサス州。クリス・カイルは、1998年に米大使館爆破事件をテレビで観て愛国心から海軍に志願する。シールズに配属され、私生活ではタヤと結婚して幸せな日々を送るが、2001年の同時多発テロ事件を契機にイラクへと派遣される。イラクで大きな戦果を挙げたカイルは仲間達から「レジェンド」と呼ばれるようになり、1000m級の射撃を行う元五輪選手のムスタファ(サミー・シーク)と遭遇し、何度も死闘を繰り広げる。任地での経験はカイルの心を蝕み、帰国する度に家族との溝は深まっていく。
【感想】
イーストウッドにはまだまだ頑張って映画を作ってもらいたい。映画館で喜んで金払える監督の一人。
本作も実に後期のイーストウッドらしい過剰な演出がなく、ストーリーも説明不足や蛇足な部分もないきれいな作りにまとまっていました。おかげで作品にすんなり入り込めた。
スナイパーになる以前から戦場での活躍、引退後までの間、主人公の置かれている心理状態がそれぞれの場面において手に取るように伝わってくるのがこの作品の凄さだと思う。しかもそれをさりげない演出でやってしまうあたり質の高い映画でした。音楽のないエンドロールについても狙っているとかではなく違和感のない自然な流れでした。
強い愛国心を持った主人公は苦しい訓練にも耐え抜き、戦場でスナイパーとしてレジェンドと呼ばれるほどの活躍をするようになる。一時的にアメリカに帰国した時も気持ちは戦場で奥さんや子供にかまう余裕もない。同じく戦場で精神的に参ってしまった弟とは対照的でした。アメリカ国内では戦争については国民の関心も大して高くなく、自分の居場所ではないと感じていたはず。
また主人公に能力があったからこそ自分が周りから必要とされる中心的な位置となり、結果として戦場が人生の中心となってしまい泥沼から抜け出せなくなったのだろう。主人公が戦う目的も最初はアメリカへの愛国心だったのが最後は仲間になっていたのも考えさせられました。
スナイパーとしての戦場の対決シーンを一番の見せ場にするのではなく、とにかく主人公の内面を徹底的に描いた作品だったと思う。政治的な主張はほとんど感じませんでした。
無理やり順位づけするのであれば作風的に「グラン・トリノ」あたりの方が好みではあるけど、本作も十分に素晴らしいものでした。映画館で観れてよかった。
お薦め度:★★★★★★★★☆☆
キャスト ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、カイル・ガルナー、マーネット・パターソン、レナード・ロバーツ、コリー・ハードリクト、ブライアン・ハリセイ、ジョナサン・グロフ、
ロバート・クロットワーシー
2014年 アメリカ
ジャンル:アクション、ドラマ
【あらすじ】
テキサス州。クリス・カイルは、1998年に米大使館爆破事件をテレビで観て愛国心から海軍に志願する。シールズに配属され、私生活ではタヤと結婚して幸せな日々を送るが、2001年の同時多発テロ事件を契機にイラクへと派遣される。イラクで大きな戦果を挙げたカイルは仲間達から「レジェンド」と呼ばれるようになり、1000m級の射撃を行う元五輪選手のムスタファ(サミー・シーク)と遭遇し、何度も死闘を繰り広げる。任地での経験はカイルの心を蝕み、帰国する度に家族との溝は深まっていく。
【感想】
イーストウッドにはまだまだ頑張って映画を作ってもらいたい。映画館で喜んで金払える監督の一人。
本作も実に後期のイーストウッドらしい過剰な演出がなく、ストーリーも説明不足や蛇足な部分もないきれいな作りにまとまっていました。おかげで作品にすんなり入り込めた。
スナイパーになる以前から戦場での活躍、引退後までの間、主人公の置かれている心理状態がそれぞれの場面において手に取るように伝わってくるのがこの作品の凄さだと思う。しかもそれをさりげない演出でやってしまうあたり質の高い映画でした。音楽のないエンドロールについても狙っているとかではなく違和感のない自然な流れでした。
強い愛国心を持った主人公は苦しい訓練にも耐え抜き、戦場でスナイパーとしてレジェンドと呼ばれるほどの活躍をするようになる。一時的にアメリカに帰国した時も気持ちは戦場で奥さんや子供にかまう余裕もない。同じく戦場で精神的に参ってしまった弟とは対照的でした。アメリカ国内では戦争については国民の関心も大して高くなく、自分の居場所ではないと感じていたはず。
また主人公に能力があったからこそ自分が周りから必要とされる中心的な位置となり、結果として戦場が人生の中心となってしまい泥沼から抜け出せなくなったのだろう。主人公が戦う目的も最初はアメリカへの愛国心だったのが最後は仲間になっていたのも考えさせられました。
スナイパーとしての戦場の対決シーンを一番の見せ場にするのではなく、とにかく主人公の内面を徹底的に描いた作品だったと思う。政治的な主張はほとんど感じませんでした。
無理やり順位づけするのであれば作風的に「グラン・トリノ」あたりの方が好みではあるけど、本作も十分に素晴らしいものでした。映画館で観れてよかった。
お薦め度:★★★★★★★★☆☆