映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

マグノリア

2009-02-12 00:00:39 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト ジェレミー・ブラックマン、トム・クルーズ、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシー、ジュリアン・ムーア、ジョン・C・ライリー、ジェイソン・ロバーズ、メローラ・ウォルターズ、マイケル・ボーウェン
1999年 アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
L.A.を舞台に、死期を迎えたTVプロデューサー、彼が捨てた息子、ガンに侵された人気司会者らさまざまな人間の24時間を描く。

【感想】
ラストシーンに絶句。
時間を開けて冷静になって振り返る時間が必要でしょう。IMDbの評価が8点以上と往年の名作よりもはるかに高評価なのですが、宗教的な意識の低い日本人向けではないようです。私個人としては点数は2点でもいいし、10点でもいい。そういう映画です。IMDbに合わせておきます。 

一応、ネタバレあり。

3時間を越える長尺の中で最後に空から×××が降ってくるのはそれまでの話の印象を全て吹き飛ばしてしまう程の威力でした。あの瞬間、状況が理解できなくて娘と最初に家にいた男が嫌がらせに屋上から投げたのかと思ってしまった。本当に降ってきたとわかった時には、さすがに馬鹿馬鹿しくなってきました。

というわけで映画を見ていた瞬間の印象は悪かったですが、少し時間を置いて考えてみると色々なことがわかってきます。この映画は結局、罪を背負って生きる人達が深い懺悔をしたことで許された話なのだと思う。×××の雨によって全ての罪が洗い流された。ちなみに×××の聖書での扱いは不吉な事が起こる前兆を意味しているようでキリスト教徒の多い欧米ではこの概念は一般的な常識だそうです。そんなことを知りもしない日本人では理解不能のゲテモノ的な光景に映るでしょう。

演出的には主役が存在せず、出演しているそれぞれの人物がほぼ均等に描かれています。(クイズ番組の司会者、天才クイズ少年、元天才クイズ少年、司会者の奥さん、司会者の娘、娘に恋した警察官、クイズ番組の生みの親で死期が近い老人、その息子である胡散臭いSEX伝道師、老人の後妻、老人の介護士)
一つのクイズ番組が登場人物全てを結びつけているのです。彼らは皆、暗い過去を背負いながら生きており、その罪を最後に洗いざらいを告白します。その瞬間に×××が降ってきて終わるのですが、10人以上の登場人物の物語がめまぐるしく切り替わるのは私にはとても斬新で釘付けになりました。ただし少々複雑なので気合をいれないとついていけなくなる可能性があります。ある程度の慣れは必要でしょう。印象深かったのはクイズに出演していた少年がトイレを我慢するシーンでシナリオ的には結構どうでもいいのですが、逆に味がありました。

とにかく刺激のあるものを見たいのであれば文句なしにお薦めできます。ぜひ一度騙されたと思って見てもらいたい映画の一つです。日本ではあまり評判は良くないのですが、それでも監督の才能を見せつけられると思います。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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