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メトロポリス(1926)

2011-01-29 14:46:14 | ★★★★★★★★☆☆
監督 フリッツ・ラング
キャスト ルドルフ・クライン=ロッゲ、ブリギッテ・ヘルム、グスタフ・フレーリッヒ、アルフレート・アーベル、フリッツ・ラスプ
1926年 ドイツ
ジャンル:SF、サイレント

【あらすじ】
富裕層と労働者の格差が著しい未来都市・メトロポリスで地下の工場を支配するジョーの息子・フレーダーは、労働者たちに希望を与える女性・マリアと出会い…。

【感想】
1926年で既に完成された近未来映像、世界観を持つSF映画が製作されていたことに驚きを禁じ得ない。(表向きではないが、個人的に同じくらい驚かされたのは1926年で歓楽街「ヨシワラ」の名が世界に知れ渡っていたことだったりする。)創造性の高さでは映画史に残るでしょう。映画だけでなく当時のドイツの国力の凄さすら伝わってきます。

メッセージ性もさることながら、最初はアートの要素に注目させられます。特に未来世界の都市や人造人間として作られた「マリア」の造形には見とれてしまいました。モノクロであるからこそ神秘的な映像に仕上がったのだと思います。言葉で説明しても無意味なのでとにかく鑑賞してくれとしかいいようがありません。

主張は明快で「ブレイド・ランナー」のような難解さはありません。支配者と労働者の力関係をメトロポリスと地下世界の二階層に分けて描き、労働者はそこで強制労働をさせられ常に監視されています。そのような状況におかれていても愛や人間らしく生きることの大切さを作品を通じて説いている。「頭脳と手は心によって媒介されなくてはならない」との警告は昔の人の言葉だけあって奥深いです。

更にそこに宗教的な要素を加えることで独特の世界観を生み出すことに成功している。それから本作はサイレント映画ですが、音楽が壮大なので全く苦になりません。

とにかくあらゆる面で「完成されていること」に対して感心させられました。映画として歴史的価値観の高い作品であることは説明されなくても理解できます。それがわかっているからこそ「今鑑賞したらチープだ」なんてことを言えるわけないでしょ。

「SF映画の原点にして頂点」という評価も納得できます。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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