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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身

2013-12-03 23:00:32 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ジョン・フランケンハイマー
キャスト ロック・ハドソン、セローム・ジェンス、ジョン・ランドルフ、リチャード・アンダーソン、ジェフ・コーリー
1966年 アメリカ
ジャンル:SF、サスペンス

【あらすじ】
ニューヨークの銀行家アーサー・ハミルトンは、重役として何不自由ない生活を送っていた。しかし同時に、彼は年老い、妻との関係も冷えきり、将来に何の希望もない単調な毎日の生活に絶望していた。そんな時、彼は謎の組織から「これまでとは別の身分を手に入れ、新たな人生を送らないか」との提案を受ける。手術によって若返ったアーサーは、トニー・ウィルソンと名を変え、画家として新生活をスタートさせるのだが…。

【感想】
モノクロ映画は何本観ようが未だに敷居が高い。それだけに本作のような掘り出し物を発見するととても嬉しくなります。

主人公が手術によって全く別の男に変身。以前のつまらない生活を送っていた頃の自分は死んだことにされてしまう。

モノクロ映画独特の映像の美しさが出ていたと思います。モノクロによる暗い画面の方が主人公が感じた恐怖を表現するのに適していました。これはカラーではまず出せない。実際に監督は不気味な雰囲気を漂わせるためあえてモノクロを選択したそうです。映画作りに対するこだわりが感じられました。カラー作品で恐怖を演出するのにあえて暗くしたような作品がありますが、非常に見づらいので個人的にはあまり好みではありません。

またモノクロ映像による恐怖や不気味さの表現だけではなく、主人公の演技も素晴らしく、心理状況が観ている側にダイレクトに伝わってくるものでした。主人公が別人になったことで昔の自分の愚かさに気がつくもその頃にはもう取り返しがつかないことになってしまいます。このあたりのラストへ向けて畳みかけるような展開といい本当によくできていたと思います。 

DNA鑑定とかある今、指紋や歯型を変えるだけでは別人になりすますことはできないとかSFに対する矛盾はありますが、もしも別人に変身することができたらという設定を通じて、それまで見過ごしていた大切なことに気がつくという内容をしっかり伝えることに成功していたのでこの部分の方が大きいと思います。

もしどこかでお目にかかることがあれば、騙されたと思ってぜひ観てほしい一本です。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身 :BD、DVD未発売。

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